尾瀬の高山植物

2018/09/25


高山植物
イワカガミ

イワカガミ

至仏山

イワナシ

イワナシ

鳩待峠〜山の鼻

ウメバチソウ

ウメバチソウ

尾瀬植物研究見本園

エゾリンドウ

エゾリンドウ

尾瀬ヶ原

オゼソウ

オゼソウ

至仏山

オゼヌマアザミ

オゼヌマアザミ

山の鼻、下田代

オゼミズギク

オゼミズギク

山の鼻、下田代

オタカラコウ

オタカラコウ

大江湿原

オトギリソウ

オトギリソウ

大江湿原、
至仏山登山道

ガクウラジロヨウラク

ガクウラジロヨウラク

至仏山、三平峠

キンコウカ

キンコウカ

上田代、横田代

ギンリョウソウ

ギンリョウソウ

浅湖湿原、至仏山登山道

クモイイカリソウ

クモイイカリソウ

至仏山

コオニユリ

コオニユリ

大江湿原、テンマ湿原

ゴゼンタチバナ

ゴゼンタチバナ

至仏山登山道、
尾瀬沼

コバイケイソウ」

コバイケイソウ

マクロ、尾瀬沼、大江湿原

コバギボウシ

コバギボウシ

大江湿原、テンマ湿原、尾瀬ヶ原

サンカヨウ

サンカヨウ

鳩待峠

サワギキョウ

サワギキョウ

尾瀬ヶ原
テンマ湿原

シブツアサツキ

シブツアサツキ

至仏山

ジョウエツキバナノコマノツメ

ジョウエツ
キバナノコマノツメ

至仏山

ジョウシュウオニアザミ

ジョウシュウ
オニアザミ

沼山峠

ショウジョウバカマ

ショウジョウバカマ

鳩待峠、山ノ鼻
尾瀬ヶ原

ソバナ

ソバナ

テンマ湿原

タカネシオガマ

タカネシオガマ

至仏山

ドクゼリ

ドクゼリ

尾瀬植物研究見本園

ナガバノモウセンゴケ

ナガバノモセンゴケ

上田代、中田代

ニッコウキスゲ

ニッコウキスゲ

尾瀬沼

ノアザミ

ノアザミ

大江湿原

ノリウツギ

ノリウツギ

鳩待峠

ハクサンイチゲ

ハクサンイチゲ

至仏山

ハクサンシャクナゲ

ハクサンシャクナゲ

至仏山

ハンゴンソウ

ハンゴンソウ

尾瀬ヶ原 

ヒオウギアヤメ

ヒオウギアヤメ

大江湿原
尾瀬沼

ヒツジグサ

ヒツジグサ

上田代

ヒメシャジン

ヒメシャジン

至仏山

ヒロハツリバナ

ヒロハツリバナ

山の鼻

ベニサラサドウダンツツジ

ベニサラサ
ドウダン

至仏山

三平峠

ホソバツメクサ

ホソバツメクサ

至仏山

ホソバヒナウスユキソウ

ホソバヒナ
ウスユキソウ

至仏山

マイヅルソウ

マイヅルソウ

至仏山
三平峠

マルバダケブキ

マルバダケブキ

テンマ湿原、大江湿原

ミズバショウ

ミズバショウ

尾瀬ガ原、テンマ湿原

ミツバオウレン

ミツバオウレン

至仏山

ミツバノバイカオウレン

ミツバノ
バイカオウレン

至仏山

ミヤマアキノキリンソウ

ミヤマアキノキリンソウ

山の鼻

ミヤマワレモコウ

ミヤマワレモコウ

上田代、大江湿原、下田代

ヤナギラン

ヤナギラン

大江湿原

ヤマオダマキ

ヤマオダマキ

尾瀬沼、テンマ湿原

ヤマトリカブト

ヤマトリカブト

鳩待峠

ヨツバシオガマ

ヨツバシオガマ

至仏山

風景
尾瀬ヶ原の紅葉

尾瀬ヶ原の紅葉

上田代

尾瀬ヶ原
アヤメ平

至仏山

至仏山
鳩待峠

沼山峠

沼山峠
大江湿原
尾瀬沼


尾瀬の花旅

尾瀬は日本を代表する高山植物の宝庫。一般的な高山植物に加え、高層湿原に生える湿ったところを好む植物や、至仏山周辺の超塩基性岩地の植物も見られ、多彩な植物相を誇っている。山のできた年代が比較的新しい燧ヶ岳は、植物の魅力には乏しいので、尾瀬の花旅としては燧ヶ岳は省略して、尾瀬沼、尾瀬ヶ原、至仏山をめぐるのがよい最低2泊は必要である。また、春の雪解けから秋の紅葉まで、花のとぎれることがないので、春、夏、秋と季節をかえて歩いてみたい。

尾瀬の春はゴールデン・ウィークの小屋明けに始まる。年によって違うが、尾瀬ヶ原の雪はまだ1m近く残っている。日差しが日増しに強くなり、やがて木道が1本の線となって姿を現すと、春は驚くほど早く進み出す。茶色の尾瀬ヶ原にまずミズバショウリュウキンカが顔を出す。拠水林では冬枯れの樹間にヤナギの花が光り、ギョウジャニンニクバイケイソウの若芽がいっせいに萌え始める。紫色のエゾエンゴサクや白いキクザキイチゲがところどころで小さな花を咲かせ、流れのふちにはザゼンソウの黒い花が見える。

5月下旬、黒々と静まりかえっていた木々がはじけるように芽ぶき、鮮やかな新緑がよみがえる。目にしみるようなブナの間ではムラサキヤシオツツジムシカリが花をつけ、新緑と映えあって美しい。雪が解け始めたばかりの沢筋に入っていみると、トガクシソウの薄いピンクの花が首を持ち上げてきている。このころになると、尾瀬ヶ原のリュウキンカはもう満開で、タテヤマリンドウの濃いブルーの星形の花も目立つようになる。

6月になると、ヤマドリゼンマイが尾瀬ヶ原のあちこちで明るい緑の葉を広げる。まるで尾瀬ヶ原をおおいつくさんばかりの勢いだ。池塘ではミツガシワの白い花が咲き始める。

シラカバ林の新緑のなかにレンゲツツジの赤い花が見え隠れするころ、梅雨の最盛期を迎える。7月初旬、単調だった湿原に急に花の種類がふえる。トキソウアサヒランヒオウギアヤメカキツバタヒメシャクナゲなどが湿原に、そして池塘にオゼコウホネヒツジグサの初花が咲く。

梅雨の晴れ間をねらって至仏山へ登るとホソバヒナウスユキソウが花を開き始めている。山頂付近の岩場には、ユキワリソウの可憐なピンクの花が見つかる。チシマアマナハクサンコザクラキバナノコマノツメタカネバラタカネシオガマ、蛇紋岩植物のカトウハコベジョウシュウアズマギクオゼソウも見られる。

尾瀬ヶ原にニッコウキスゲの花が点々と目立つようになり、キンコウカの花が咲き始めると、ようやく長かった梅雨も明ける。夏雲の下に広がるニッコウキスゲの黄色はぐんぐん密度を増す。夏山シーズンの到来である。池塘のヒツジグサは水面を埋め尽くすかのように葉を広げ、白い花を浮かべている。木道のわきではモウセンゴケの白い花が風に揺られている。8月に入り、ニッコウキスゲの盛りがすぎると、尾瀬ヶ原の短い夏は終わりを告げる。ミズギクコバノギボウシコオニユリなどの比較的背の高い花が咲き始め、朝夕の気温も下がって、秋の気配が感じられるようになる。拠水林のなかではハンゴンソウクガイソウソバナが咲き、気の早いムシカリの実が色づき始めている。

9月上旬、サワギキョウが寂しげな残り花をつけただけになると、かわってゴマナキオンが真っ盛りを迎え、拠水林のヤマウルシが赤く色づき始める。尾瀬ヶ原は黄色からやがて金色に染まり、エゾリンドウの紫色の花だけが目立つ。紅葉も終わるころ、朝夕の冷えこみはぐんと厳しくなる。やがて至仏山、燧ヶ岳の山頂が初雪におおわれ、尾瀬は長い冬へ入る。
(参考文献:日本の高山植物(山と渓谷社))

尾瀬で経験したルート

◆沼山峠〜大江湿原〜尾瀬沼

沼山峠から少し歩いて尾瀬沼が見える展望台の景色が素晴らしい。
また少し歩いて、大江湿原が眼前に一気に広がり、ニッコウキスゲで
黄一色になっているのを見ると、疲れも一揆吹き飛ぶ思いだ。
尾瀬沼の周辺は鳥や昆虫、魚、高山植物の宝庫で、ゆっくり探索したい。

尾瀬沼
大江湿原から見た尾瀬沼と燧ヶ岳(7月)

◆鳩待峠〜山の鼻〜尾瀬ヶ原〜竜宮〜富士見峠〜アヤメ平

栃木県側から尾瀬に入る時、最も近いのが鳩待峠。
入山者も多く、朝の3時、4時ごろは思うように歩けないことが多いというのは昔の話。
今は車規制が厳しく、戸倉からバスが出るのは5時で鳩待峠は5時半出発のイメージ。
上田代や中田代ではゆっくり尾瀬の花を楽しめる。
富士見峠からアヤメ平のルートは見るべき所も少ないせいかシーズン中でもまばらだった。

尾瀬沼
尾瀬ヶ原から燧ヶ岳(5月)

◆鳩待峠〜小至仏山〜至仏山

鳩待峠からオヤマ沢田代までの森の中もまた高山植物の宝庫。
オヤマ沢田代を抜けたあとの稜線もこれまた高山植物が咲き乱れる。
というわけで、花好きには目が離せない登山の連続で、最近ハマってきている。
至仏山に行くルートは団体が入る8時過ぎは渋滞の可能性大で、
花の状態も良い早朝の出発がベスト。

尾瀬沼
山の鼻の植物研究見本園尾瀬ヶ原から至仏山(9月)

◆大清水〜三平峠〜尾瀬沼〜大江湿原

このルートは1回しか歩いたことがないが、最近は途中の一ノ瀬まで
バスが走るとのことで往復2時間の歩行を省略できるらしいので、再挑戦したい。
栃木からだと沼山峠より約1時間ほど早く大清水につけるが
尾瀬沼までを考えると歩く距離の長い大清水のほうが不利。