白馬・栂池の高山植物
2019/04/20
八方尾根自然研究路
後立山連峰の唐松岳(標高2696m)から東にのびる広やかな尾根で、後立山の白馬三山(白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳)や五竜岳・鹿島槍ヶ岳の好展望台となっている。
八方尾根では八方駅(標高770m)からゴンドラに乗って一気に標高1400mのうさぎ平まで。
さらに、リフトを乗り換えれば標高1680mの黒菱平に着く。黒菱平から上部は中部山岳国立公園であるとともに、長野県天然記念物に指定され、特別天然記念物のニホンカモシカやライチョウなども生息している。鎌池を通って、もう一度リフトに乗ると八方池山荘(標高1830m)に到着する。
ここから八方池(標高2060m)までの約2.5kmの八方尾根自然研究路は木道・階段等で整備された トレッキングルートで、八方の特殊な「蛇紋岩」という地質による希少植物(高山植物の種類は約347種、八方尾根の固有種として、ハッポウタカネセンブリ、ハッポウワレモコウ、ハッポウウスユキソウ、ハッポウアザミ)の宝庫だ。八方池ではクロサンショウウオが生息している。
また、八方池では秋になると周辺のダケカンバやナナカマドなどが色づき、紅葉で深紅に染まった白馬三山が水面に映り込むことから、写真家や風景画家に人気とのこと。一度は撮影したいたいものだ。
ルート中も白馬三山や五竜岳といった北アルプスの素晴らしい景色も楽しむこともできる。
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大糸線白馬駅からバス7分、八方下車、徒歩10分後ケーブル16分兎平、アルペンリフト10分黒菱平。
栂池高原
約25分間のゴンドラとロープウェイを乗り継ぐと標高1900m〜2000m、約370種の花々と生命の息吹に満ち溢れた栂池自然園にたどり着く。園内にはミズバショウ湿原、ワタスゲ湿原、浮島湿原、白馬大雪渓と白馬三山の絶景を眺めることができる展望湿原などの名が付いた高層湿原が約5.5kmの整備された遊歩道でつながっている。自然園は北アルプスへの入り口として、天狗原から白馬乗鞍岳(標高2437m)、白馬大池へ、小蓮華山(標高2766m)、白馬岳(標高2932m)への縦走なども可能だ。
6月末に行ったときは、雪が木道にまたがっている個所があり、軽装では楠川を渡り、浮島湿原側に登ることは困難と思われた。
ゴンドラとロープウェイの中継地点では、約700mほどの栂の森遊歩道を楽しむことができる。まだ、雪が残る中、栂の森の花たちは元気に咲いていて、我々を歓迎してくれた。
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栂池自然園はどうやってできたのか?
白馬乗鞍岳の火山活動に伴って階段上の断層ができ、栂池自然園、天狗原の平坦面が形成された。その平坦面の窪みに池ができ、ミズゴケやワタスゲなどの植物が自生した。こうした植物は枯れても寒冷な気象条件のもとでは微生物による分解がされず泥炭化し、周囲の地形よりも高く堆積したため、地下水の供給を受けず雨水のみで維持されるようになり、長い年月をかけて現在の高層湿原が生まれたのである。
土壌は栄養状態が悪いので、子息している植物は栄養不足に耐えることのできる小型のスゲ類のワタスゲ、ミズゴケ類のモウセンゴケ等が生息している。その堆積スピードは年間に0.5〜1mm程度と言われる。
(栂池パノラマウェイ発行のパンフレットから)
白馬五竜高山植物園
白馬五竜高山植物園はヒマラヤの青いケシが見られることで有名。この他にも、外来種や白馬山域で見られる高山植物が、より自然に近い形で多数植えれれていて、手軽に楽しめるところが魅力。
8人乗りゴンドラ(五竜テレキャビン)に乗ってアルプス平駅で降りると、すでにそこは植物園内だ。あとはゆっくり園内を散策するだけです。緩やかですが、斜面を登っていく形になりますので、体力に自信の無い方は、もう一つアルプス展望リフトに乗って、上から降りてくればいいんです。気軽に楽しみましょう。
姫川源流
姫川はこの姫川源流の湧水をスタートにして約58lqを下り、 糸魚川を河口とする日本海まで流れる川。国道148号線の白馬さのさか観光協会(郵便局と同居)付近の駐車場(蕎麦屋の前もOKということであった)に車を停めて、10分も歩けばたどり着くことができる、簡便なところにある。
白馬山麓植物園
雨が降ってしまい、八方尾根をあきらめた代わりに訪れた植物園。山を利用してつくられた植物園のようで、園内はいかにも優しげな感じの歩道(土でできている)を歩くと、伸び伸びと育った高山植物を自然に見ることができる。帰りに、他ではあまり見ることのできない植物を購入することもできた。
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