霧ヶ峰・車山・蓼科
2019/08/04
霧ヶ峰
標高759mの諏訪湖を中心にした諏訪盆地のの北東、車山から西北の和田峠にかけて広がる平均標高1600mの大草原が、霧ヶ峰である。和田峠付近から産出した黒曜石による、古代文明の発祥の地でもある。峠は中山道の要衝、水戸天狗党奮戦の場である。霧ヶ峰を東へたどれば「女の神山」と伊藤左千夫が詠んだ、富士型2,530mの蓼科山から森と草原と湖をめぐる北八ヶ岳のなだらかな山容が続く。山麓には蓼科温泉郷がある。この一帯は八ヶ岳中信高原国定公園に指定されている。
日本野鳥の会の中西悟堂や植物学の武田久吉が「日本にもこんなところが・・・」と感激したという霧ヶ峰は、諏訪盆地の北東海抜1,925mの車山から西北和田峠(1,531m)に渡って広がる、東西10km南北15kmの大草原の総称である。霧のき来が著しいことからこの名がある。
八島湿原
霧ヶ峰の西北部、八島ヶ池や鎌ヶ池、鬼ヶ泉等の池をもつ湿原で高層湿原としては日本の南限といわれ、七島八島と呼ばれる浮き島が点在する。そこは、ヤナギラン、ニッコウキスゲなどの亜高山植物や湿原植物250余種を数える高山植物の宝庫である。踊り場湿原や車山湿原と共に霧ヶ峰湿原植物群落として国の天然記念物に指定されている。
車山高原
霧ヶ峰の東端、標高1,925mの車山一帯で、初夏になるとニッコウキスゲが咲き乱れる。展望もよくアルプスや八ヶ岳、富士山、浅間山、浅間山等の山々が見渡せる。車山の南中腹にはビーナスラインが走り、冬になると東山腹は絶好のスキー場になる。
白樺湖
大門峠(1,442m)の南、蓼科山、八子ケ峰、車山に囲まれ、そのなだらかな裾野が落ち合う池の平湿原に音無川の流れを注いで灌漑用にせきとめて造った。標高1,420m、周6kmの山上人造湖(昭和21年秋完成)である。
蓼科高原
蓼科山から北八ヶ岳山麓一帯に広がる高原の総称であり、中心は蓼科温泉郷である。この高原開発のもとは、大正初年上諏訪の医師小沢侃二(かんじ)が、紫外線とオゾンの豊富な温泉保健保養地として着目したことにはじまる。昭和初期には別荘も建ちはじめた。その後、白樺湖付近の開発と共に、この高原の開発も進み、ビラタスロープウェイやビーナスラインを始めとする道路の開通によって大観光地にと変わってきた。
参考文献、地図の本18信州(日地出版)