詩仙堂
2014/11/16
| 庭園散策|
詩仙堂丈山寺
詩仙堂と呼ばれる建物は正式には凹凸か(穴冠に果)といい、
でこぼこの土地に建てた住居の意。
そのアップダウンが庭園にうまく生かされ、立体的な造りとなっている。
とおり名の詩仙堂は「詩仙の間」に由来する。
丈山が中国の詩人36人を狩野探幽に描かせ、
その詩文を自ら書いて四方の壁に掲げた。必見の一室。
詩仙堂を代表する庭の眺め。
寛永18年(1641年)、丈山は59歳で詩仙堂を造営し、
90歳に没するまで、ひたすら清貧と風流の生活を送った。
彼の生前も没後も、文人たちがその人徳を慕って足しげく堂を訪ねたという。
建物には、丈山没後の寛政年間(1789〜1801)に若干の変更が加えられたものの、
天変地異をまぬがれ、当時のままの姿を伝えていると。
現在は、詩仙堂丈山寺という曹洞宗の寺になっている。
今度は上を見上げて紅葉を見ると、夕日に照らされて見事な輝き。
詩仙堂の入口。夕刻も遅くなって人の出入りが少なくなった一瞬。
庭園散策
丈山が造った庭は、京都の他の寺よりも、どことなく親しみのわく庭だ。
それは、いろいろな植物がわりと自然な形で気取り無く植えられているからに違いない。
今まで見てきた寺院の中で、柿の木があるのははじめて。とても新鮮な気分。
砂流し見つめられた庭の奥で、山茶花が咲き始めている。
紅葉と建物との調和も見事。
建物に夕日が妖しげな色で照らしていた。
ススキを庭に植える! なんて大胆な。
もみじ一色に柿の実のアクセント。
フヨウの花がまだいっぱい咲いていた。
柿の実が浮かび上がるような自然のライティング。
3株のマンリョウを割くようにサツキの木が生えているが、
マンリョウはしょうがないな、という風情で気にもせず赤い実をたくさん実らせていた。
これは部屋からの長めだが、散策している人の姿が写ったのでこちらに入れてみた。
参考文献:京の古寺あるき(実業之日本社)