世界に720属19500種、日本に39属147種、日本の固有植物は16種4亜種2変種。
キク科、ラン科についで顕花植物中3番目の大きな科で、根粒菌と共生し、空中窒素を利用する。草本または木本、籐本(つる性木本)も多い。葉は互生し、托葉があり、ほとんどが複葉。花はふつう両性で5数性からなり、1個の心皮からなる1個の上位子房をもち、豆果を結ぶ特徴がある。種子に胚乳がない。次の3亜科に分類される。
@ネムリグサ亜科 Mi-mosoideae。花は放射相称、雄しべは4〜10個またはそれより多く、離生か基部で合着、花弁より長くつきでる。
Aジャケツイバラ亜科 Caesaipiniioideae。花は左右相称。旗弁1個、翼弁1対、竜骨弁1対からなる蝶形花冠をつくり、竜骨弁は離生。雄しべは基本的に10個で離生し、竜骨弁に含まれない。萼はほとんどが全裂。
Bソラマメ亜科 Papilionoideae。花冠は蝶形花冠、竜骨弁は互いに融合して中に雄しべを入れる。雄しべは基本的に10個で単体または両体雄しべをつくる。萼は合萼。
科名はラテン語のiagumen(筴) に由来するという説と、legere(収穫する)に由来するという説がある。バラ科、ユキノシタ科に近縁。
(印象)マメ科の印象はしぶとくて、割と可愛らしい花を咲かせるところだ。特にツル性のスイートピーは名前から受ける印象と違い、とてもたくましく、何にでも絡みつく。そういえば、そばの空き地で外来種のセイタカアワダチソウに負けることなく、頑張っているのがアカツメクサだ。そういうやつらだ。
でも、アズキやラッカセイ、エンドウマメなど美味しい食べ物になる植物たちであることも忘れてはなるまい。
イワオウギ属(Hedysarum)・・・北半球の温帯〜寒帯に約150種あり、日本に2種が自生する。小葉の側脈は並行で裏面に隆起する。両面に微小な腺点がある。花は竜骨弁がもっとも長く、雄しべは両体。果実は扁平な節果、横の区切りがあって1〜数室に分かれ、裂開しない。
クズ属(Pueraria)・・・クズ(葛)
コマツナギ属(Indigofera)・・・熱帯および亜熱帯世界の地域に広く約750種が分布する。低木または多年早で、羽状の葉を持つ。 花は葉の葉腋に成長し、総状花序。赤色の花が多く、白色あるいは黄色のものもある。

関係する種としてアカツメクサ、シロツメクサ、ストロベリーキャンドル、トリフォリウムなど。
ソラマメ属(Vicia)・・・つる性のものが多いので、属名は「巻きつく」という意味のvincireからきている。葉は偶数羽状複葉で、頂小葉がなく、先が巻きひげになっているものが多く、花柱が円柱状で長い毛があるのが特徴。中央アジアや地中海周辺の原産のソラマメはもっとも古い栽培植物のひとつ。
この属には、カラスノエンドウ、クサフジ、スズメノエンドウ、ニワフジなどがある。
関係する種としてアレチヌスビトハギ、マルバハギ、ミヤギノハギなど。
関係する種としてスイートピー、ラシラス・モンタヌスなど。
ヤマフジは本州(兵庫以西)、四国、九州に分布し、葉の裏面は成葉でも有毛で、小葉は4〜6対、花序は長さ10〜20cmである。
関係する種としてルピナスがある。参考文献
日本の固有植物 (国立科学博物館叢書)
高山に咲く花 増補改訂新版 (山溪ハンディ図鑑)
園芸植物 (山渓カラー名鑑)
最終更新日 2019/08/04