ユキワリソウ

最終更新日
2018/03/26
●学名
Primula modesta
●科名
サクラソウ科サクラソウ属
●花期
5月〜7月
●生育地

本州の一部から四国、九州に分布。水の滴る岩場などに自生。

●特徴

混生葉は長さ3〜7p、幅1〜2pの倒卵状長楕円形〜倒卵形で、基部は細く葉柄状になる。ふちには鈍い鋸歯があり、しばしば裏に巻く。裏面は色がやや淡く、淡黄色の粉状物が目立つ。花茎は高さ7〜16cmになり、淡紅紫色〜紅紫色の花を3〜15個つける。白花品もある。花径は直径0.7〜1pで5裂して閉会する。裂片は浅く2裂し、のどの部分は黄白色。萼は長さ約3oの短い筒形。刮ハは短い円柱形で萼よりやや長い。

ユキワリソウの名で呼ばれているものに、キンポウゲ科ミスミソウスハマソウがあるので注意する。

●写真集

ユキワリソウの花ユキワリソウ 白馬・栂池

ユキワリソウの白花品ユキワリソウ(白花) 白馬・栂池

●育て方

用土は桐生砂、鹿沼土、エゾ砂などに少量のピートモス、蛇紋岩、寒水石を混ぜる。

植え替えは年1回必ず行う。夏に弱る兆しがあれば、掘り上げて根を洗い、冷蔵庫に入れ、強制休眠させる方法もある。
植えつけるときはゆとりを残して用土を入れ、粗めの砂でときどき増し土をするとよい。夏の間は、表土の乾燥と温度の上昇を防ぐため、薄く水苔をのせておくのもよい。

水やりは春から秋まで日に1回は十分に与え、冬は4日に1回程度にする。

置き場所は通常、日がよく当たり、通風のよい棚上、盛夏は寒冷紗の下か木陰。冬は軒下か明るい棚上がよい。
施肥は春に一回置き肥し、梅雨まではごく薄い液肥を月2回程度与える。

●近縁種

ユキワリソウとハクサンコザクラの違い

葉の見分け方もあるようだが草地では葉が見えないことが多く、
花で見分けられるようにしたい。

ユキワリソウの花

ユキワリソウ
5枚ある花びらの切れ込みがやや浅く、中央の黄色の部分がやや小さい。

ハクサンコザクラの花

ハクサンコザクラ
5枚ある花びらの切れ込みがやや深く、中央の黄色の部分が濃くてやや大きい。


クリンソウ (北海道、本州、四国の山地や山裾の湿地に自生する。)

サクラソウ (日本各地に分布。山麓や河原などの湿り気のある草地に生える多年草。)

ソラチコザクラ (石狩川の支流の空知川、日高地方北部の沙流川や新冠川の流域の主に蛇紋岩地帯に生える多年草。)

シコクカッコソウ (カッコソウの変種で四国に分布。全体に毛が多く、花冠の花喉部は黄色。)

ハクサンコザクラ (日本海側の亜高山帯〜高山帯の雪田の融雪地や湿った草地に特産。)

プリムラ・オブコニカ (径5cmの花をつける耐寒性多年草。)

プリムラ・ジュリアン (コーカサス原産の小型種。)

プリムラ・マラコイデス (中国雲南省、四川省原産の多年草で、草丈20〜50cmになる。)

ミチノクコザクラ (青森県の岩木山の亜高山帯に特産し、雪田の融雪地や湿った草地に生える。ハクサンコザクラよりさらに大型。)

ユキワリコザクラ (北海道南部及び東部から東北地方に自生。根室から釧路にかけての群落が見事でネムロコザクラともいわれている。葉がスプーン形をしている。)

レブンコザクラ (礼文島、北見山地、知床半島などに分布し、全体に大型。葉も大きく、長楕円形でふちに波状の歯牙がある。刮ハは萼の1.5〜2倍。白花品をシロバナレブンコザクラという。)

●和名
雪割草。
●参考図書
日本の高山植物(山と渓谷社)、家庭の園芸百科(主婦と生活社)