ハクサンコザクラ

最終更新日
2018/03/21
●学名
Primula cuneifolia var.hakusanensis
●科名
サクラソウ科サクラソウ属
●花期
6月〜8月
●生育地

本州の飯豊山地から白山まで、日本海側の亜高山帯〜高山帯の雪田の融雪地や湿った草地に特産する多年草。

●特徴

花期、花のつき方や色、大きさは母種のエゾコザクラとほぼ同じだが、全体にやや大きい。花茎は高さ5〜17pと、エゾコザクラとあまり変わらないが、根出葉は質がやや薄く、長さ1.5〜5p、幅1〜2.5pの倒卵状くさび形で、上部に不ぞろいのとがった鋸歯が10〜25個ある。基部はしだいに細くなるが、葉柄状の部分はエゾコザクラより広い。

●写真集

ハクサンコザクラの花ハクサンコザクラ 尾瀬

●育て方

芽出しから花時期まではよく日に当てるが、暑さに弱いので、それ以外は半日陰の風通しの良い場所で管理し、過湿を避ける。

植え替えは秋か春に行う。中深鉢に硬質赤玉土・硬質鹿沼土・軽石の混合土で植え付ける。

増殖は株分けと根伏せ・実生による。

高山性のサクラソウの仲間は夏の遮光・風通し・空中湿度に特に気を付ける。暖地で栽培すると開花は4〜5月。

●近縁種

ハクサンコザクラとユキワリソウの違い

葉の見分け方もあるようだが草地では葉が見えないことが多く、
花で見分けられるようにしたい。

ハクサンコザクラの花

ハクサンコザクラ
5枚ある花びらの切れ込みがやや深く、中央の黄色の部分が濃くてやや大きい。

ユキワリソウの花

ユキワリソウ
5枚ある花びらの切れ込みがやや浅く、中央の黄色の部分がやや小さい。


エゾコザクラ (北海道の利尻山、知床半島、斜里岳中央高地、針盛山、日高山脈北部の高山帯の雪田の融雪地や湿った草地に生える多年草。)

クモイコザクラ (南アルプス・八ヶ岳・秩父に分布する。)

クリンソウ (北海道、本州、四国の山地や山裾の湿地に自生する。)

サクラソウ (日本各地に分布。山麓や河原などの湿り気のある草地に生える多年草。)

シコクカッコソウ (カッコソウの変種で四国に分布。全体に毛が多く、花冠の花喉部は黄色。)

シロバナナンキンコザクラ (白花品。)

チチブイワザクラ (埼玉県武甲山に分布。コイワザクラの変種。)

プリムラ・オブコニカ (径5cmの花をつける耐寒性多年草。)

プリムラ・ジュリアン (コーカサス原産の小型種。)

プリムラ・マラコイデス (中国雲南省、四川省原産の多年草で、草丈20〜50cmになる。)

ミチノクコザクラ (青森県の岩木山の亜高山帯に特産し、雪田の融雪地や湿った草地に生える。ハクサンコザクラよりさらに大型。)

ユキワリコザクラ (北海道南部及び東部から東北地方に自生。根室から釧路にかけての群落が見事でネムロコザクラともいわれている。葉がスプーン形をしている。)

ユキワリソウ (本州の中部地方・四国・九州の山地の岩場に自生する。変異種も多い。)

レブンコザクラ (本州の日本海側・飯豊山〜白山に分布する。)

●和名
白山小桜
●参考図書
日本の高山植物(山と渓谷社)、家庭の園芸百科(主婦と生活社)