ヤマアジサイ

最終更新日
2018/01/13
●学名
Hydrangeaceae serrata
●科名

アジサイ科アジサイ(ハイドランジア)属

●花期
初夏〜夏
●生育地

関東以西の太平洋側のやや湿った場所に群生していることが多く、関東以西の太平洋の本州、四国、九州、朝鮮南部に分布する落葉低木。小型で葉に光沢のないアジサイ。

●特徴

ヤマアジサイは花色、花形とも最も変化に富み関東、東海地方のものは、両性花、装飾花とも白色で、近畿以西では青やピンクの色が付く。特に九州は多様な種類がある。

葉は対生し長さは12cmほど、葉の質は薄く葉縁に鋸歯が目立ち先端は細くとがる。花は新枝の先につき、花序は直径10cmほどになる。

中心に細かな花が集まって咲き、その周囲に大きな花が咲く・・・ように見えるが、これは花ではなく、ガクが花びら状に変化したもの。雄しべも雌しべもない完全なる飾りである。この装飾花だけで作り出されたのが、園芸種のアジサイというわけだ。
アジサイが虫を誘うためにつけた装飾花と集散花序という仕組み。中心部はまるで花の広場のようになり、虫たちが飛び回ると効率よく受粉できる。

●写真集

ヤマアジサイヤマアジサイ 花之江の郷

●育て方

地植、鉢植ともに可。午前中日があたり、午後は日陰になるところが良い。

乾燥に弱いので水切れに注意する。

水もちの良い用土として、硬質鹿沼土7に軽石砂3などを配合して植える。

ヤマアジサイはアジサイと異なり、開花枝を更新する必要がないので根元から伸ばす枝を決めて、この枝に毎年花を咲かせる。

挿し木で簡単に活着するので、自生の花を元に多くの園芸品種が作出されている。

●近縁種

アジサイ (いわゆる西洋アジサイのこと。花は全て装飾花。)

エゾアジサイ (北海道と本州の東北地方、北陸地方以西の日本海側、九州に分布する。)

ガクアジサイ (房総半島・三浦半島・伊豆半島・伊豆諸島・小笠原に分布する。アジサイの母種。)

カシワバアジサイ (北アメリカ島南部に自生する落葉低木で、葉形がカシワに似ている。)

コアジサイ (ヤマアジサイの八重咲き種。本州の関東以南と四国の温帯および暖帯の山地に自生する落葉低木で、高さは1〜2m。初夏に淡碧色の花をつける。)

タマアジサイ (本州の福島〜岐阜県に分布し、山地の沢沿いなどに生える。)

ノリウツギ (別名サビタ。北海道から本州、四国、九州および屋久島の山地など、亜高山から山麓にも自生する落葉の大型低木で、高さ2〜3m程度。盛夏の頃、白色の清楚な花をつける。)

●和名

山紫陽花。
別名サワアジサイ。

●参考図書
園芸植物、樹木(山と渓谷社)、山野草大百科(講談社) 、里山さんぽ植物図鑑(宮内康之監修、成美堂出版)