日本固有種。
本州中部の高山帯の草地に生える高さ20〜50cmの多年草。
特に利尻岳、北岳、乗鞍岳、石川県の白山(この種がが発見されたところ)などが自生地として有名。
雪が解けると比較的乾燥しがちなところでは、大群落をつくる。風衝草原や砂礫地にも生える。根生葉は3出複葉で直径5〜10cmのほぼ円形。葉柄は長さ8〜30cm、頂小葉はさらに2〜3回3出状に細かく裂ける。側小葉は左右非対称に2深裂し、裂片はさらに2〜3回2〜3裂する。終裂片は幅1.5〜4mmと細く、先はとがる。両面にまばらに伏毛があり、ふちには短い開出毛がある。花茎は根出葉の葉腋から2〜2本出て、白くて長い毛が密生する。花は直径2〜2.5cmで散形状に2〜6個つく。花には花弁がなく、白色の萼片が花弁のように見える。萼片はふつう5〜6個あり、長さ1〜2cm、幅0.5〜1.2cmの楕円形。雄しべは萼片のほぼ3分の1の長さ。花柄は花のころは長さ2〜12cmだが、花のあとのびて、果期には長さ15cmを超えることがある。果実は痩果が集まった集合果、痩果は長さ6〜8mmの扁平な広楕円形で、ふちに広い翼がある。
ハクサンイチゲ 至仏山
ハクサンイチゲ 乗鞍岳
暑さと乾燥に弱く、平地での栽培はかなり難しい。
山砂に2割のミズゴケを混ぜた用土に植えて、盛夏には半日陰とします。
アズマイチゲ (北海道・本州・四国の山地や山裾に自生。)
アネモネ (地中海地方原産の秋植え球根植物。)
イチリンソウ ( 本州、四国、九州に分布。落葉広葉樹林の林床や林縁に生える。)
イチリンハクサンイチゲ (高山の砂礫地で特に全体が小さく、花が1個しかつかない。)
エゾノハクサンイチゲ (北海道と東北地方、サハリンに分布し、比較的砂礫地を好んで生える。葉の終裂片の先は尖らず、果柄もあまり長くならない。別名:カラフトセンカソウ。)
キクザキイチゲ (アズマイチゲより葉が深く切れ込んでいる点で違いを区別する。北国の多雪地帯に多い。)
サンリンソウ (北海道・本州中部地方以北の山地・亜高山帯に自生。)
シュウメイギク (中国原産の多年草。)
ニリンソウ (日本各地の山地や山裾に自生。藤原岳産の矮性種、多弁花「銀杯」などの品種がある。イチリンソウは花が大きく、茎葉に柄があり、小葉は細かく裂けるので、ニリンソウとは簡単に見分けられる。)
ヒメイチゲ (北海道・本州中部地方以北の山地や針葉樹林内に自生。)
フタマタイチゲ (北海道・千島・樺太に分布。)
ユキワリイチゲ (本州の西部から九州に分布し、山麓の林のふちや竹林などに生える多年草。)
ヒメハクサンイチゲ (全体が小さく、高さ10cmほどで花が1個しかつかないもの。)
ミドリハクサンイチゲ (萼片が緑色を帯びる。)