北海道、本州、四国、さらにサハリン、朝鮮半島、ウスリー地方 に分布する落葉樹林のふちや草原、山麓の土手などに生える多年草。
高さ15〜20cmになる。根茎は横にはい、ところどころに紡錘体のふくらみがある。根生葉は2個3出複葉で、小葉はさらに裂ける。茎葉は3出複葉で3枚が輪生する。小葉は先に鋸歯があり、長さ2〜3cm、やわらかく垂れ下がる。花は径3〜4cm、1個が頂生する。萼片は花弁状で8〜13個、線状長楕円形、白色で基部と裏面はすこし紫色を帯びる。紅紫色を帯びるものもある。
アズマイチゲは春先に花を咲かせ、落葉広葉樹林の若葉が広がる頃には地上部は枯れてなくなり、その後は翌春まで地中の地下茎で過ごすスプリング・エフェメラルの一種。
アズマイチゲ/みかも山
アズマイチゲ/星野自然村
アズマイチゲ/野山の早春
アズマイチゲ/庭の早春
半日陰の明るい場所で、水はけの良い粗粒で植え、水を切らさないようにする
根茎で増える。実生は採り播きする。
アズマイチゲとキクザキイチゲの違い
アズマイチゲ
葉の切れ込みが浅く、垂れ下がる。
キクザキイチゲ
葉の切れ込みが深い。
アネモネ (地中海地方原産の秋植え球根植物。)
イチリンソウ ( 本州、四国、九州に分布。落葉広葉樹林の林床や林縁に生える。)
エゾイチゲ (北海道の深山の林縁などに生える多年草。)
オクノアズマイチゲまたはシラゲアズマイチゲ (茎や葉のふち、花柄に落ちやすい長毛が生えるものがあり、多毛のものを区別する場合の名だが、近年では毛の多少が種によって連続することから、区別はしない考え方が強い。)
キクザキイチゲ (アズマイチゲより葉が深く切れ込んでいる点で違いを区別する。)
サンリンソウ (北海道・本州中部地方以北の山地・亜高山帯に自生。)
シュウメイギク (中国原産の多年草。)
ニリンソウ (日本各地の山地や山裾に自生。藤原岳産の矮性種、多弁花「銀杯」などの品種がある。イチリンソウは花が大きく、茎葉に柄があり、小葉は細かく裂けるので、ニリンソウとは簡単に見分けられる。)
ハクサンイチゲ (本州中部地方以北の高山帯の湿り気のある草原に自生。)
ヒメイチゲ (北海道・本州中部地方以北の山地や針葉樹林内に自生。)
フタマタイチゲ (北海道・千島・樺太に分布。)
ユキワリイチゲ (本州の西部から九州に分布し、山麓の林のふちや竹林などに生える多年草。)
東一華。「東」は関東を意味し、「一華」はイチリンソウ属の花のことで、花が茎の先に1つだけつくことからきている。
別名ウラベニイチゲ。