ホタルブクロ

最終更新日
2018/06/24
●学名
Campanula punctata
●科名
キキョウ科ホタルブクロ属
●花期
6月〜7月
●生育地

北海道西南部から本州、四国、九州に分布。山野や丘陵に生える多年草。

●特徴

葉には粗い開出毛がある。根生葉は卵心形で花期には枯れる。茎葉は互生し、長さ5〜8p、幅1.5〜4pの三角状卵形または披針形で不ぞろいな鋸歯がある。茎の上部に長さ4〜5pの大きな鐘形の花をつける。花冠は淡江紫色または白色で濃色の斑点があり、先は浅く5裂する。萼片の湾入部には反り返った付属体がある。

●写真集

ホタルブクロ白花ホタルブクロ白花

ホタルブクロの花ホタルブクロ 太平山

ホタルブクロの花ホタルブクロ 庭の夏

●育て方

真夏は半日陰、それ以外はよく日に当てる。伸びすぎるのを防ぐため、乾き気味に育てる。

丈夫な草なので特に用土は選ばないが、赤玉土か硬質鹿沼土と富士砂の等量混合土などで水はけ良く植える。

株分けは芽出し前の3〜4月と9〜10月が適期。株分け時に切れた根を伏せて殖やすことも可能。

●近縁種

ホタルブクロとヤマホタルブクロの違い

ホタルブクロの小裂片

ホタルブクロ
萼片間に付属片(小裂片)があり、上向きに反り返る。

ヤマホタルブクロの膨らみ

ヤマホタルブクロ
萼片と萼片の間に小裂片は無く、膨らみができる。


イシダテホタルブクロ (徳島県の石立山で発見された草丈5cm程度の小型種。)

イワギキョウ (北海道、本州(中部以北)、千島ほか。高山帯のやや湿った岩場に生える多年草。)

キキョウ (日本、朝鮮半島、中国に自生する多年草。)

シマホタルブクロ (最初に伊豆七島で発見された花径が約3cmと小さい白色花を咲かせる。)

チシマギキョウ (北海道・本州の中部地方以北の高山の礫地や岩の割れ目などに自生。葉の表面に光沢があり、花は横向きに咲いて、花冠の内側と裂片の縁に長い毛があることでイワギキョウと区別する。)

ベルフラワー (南ヨーロッパ原産の矮性種。)

ヤツシロソウ (九州の山地にまれに生える多年草。)

ヤマホタルブクロ (ホタルブクロの変種。本種のほうが多毛。萼裂片に反り返る付属体がない。)

その他、洋種のカンパニュラ(つりがねそう)は、ホタルブクロの同属植物で、地中海沿岸地方原産の植物を改良したものとのこと。

●和名

蛍袋。ぶら下がって咲く花を提灯に見立てて、火垂(提灯の古語)をあてたという説と、子供が花のなかにホタルを入れて遊んだからという説があるが、一般には蛍袋と書くことが多い。

チョウチンバナ、ツリガネソウ、トックリバナ、アメフリバナ、ボンボンバナなど、ホタルブクロの特徴がよくでている楽しい方言名も多い。

●花言葉
愛らしさ、貞節、誠実、忠実、正義
●参考図書
野に咲く花(山と渓谷社)、山草図鑑(栃の葉書房)