チシマギキョウ

最終更新日
2018/04/14
●学名
Campanula chamissonis
●科名
キキョウ科ホタルブクロ属
●花期
7月〜8月
●生育地

チシマギキョウの仲間は北半球に約250種があり、日本にはホタルブクロヤツシロソウ、高山にチシマギキョウ、イワギキョウが分布する。

チシマギキョウは高山の日なたの岩場や砂礫地に生え、中部地方以北の本州から北海道にかけて分布する。花冠に長い軟毛がある。
国外ではイワギキョウとともに東北アジアからアラスカに広く分布する。

●特徴

葉に波状の鈍鋸歯がある。萼片は全縁。花冠の裂片に長毛がある。高さ5〜13cm。花時に混生葉や下葉がよく発達し、茎葉は小さく少ない。混生葉はヘラ形で長さ1.5〜9cm、幅4〜15mm、光沢がある。花冠は青紫色、長さ3〜3.5cm、3分の1程度5裂する。柱頭は3裂。
白花品はシロバナチシマギキョウという。

葉に比べて大きな花を咲かせるが、暖地での花つきが今ひとつ。交配種は花つきがよい。チシマギキョウとホタルブクロの交配はサラガミネギキョウ、チシマギキョウとイシダテホタルブクロの交配をオガワギキョウと呼び、育てやすく花つきがよい。

●写真集

チシマギキョウの花チシマギキョウ 木曽駒ケ岳・乗鞍岳

チシマギキョウの花チシマギキョウ 白馬八方尾根

●育て方

3〜4号ほどの深鉢や抗火石鉢、断熱鉢に硬質鹿沼土5、軽石砂5などで植える。
植替えは年1度。花後の5〜6月中旬と9月中旬〜10月中旬が適期。
通年日なたで風通しの良い場所に置き、夏の長雨を避ける。
水やりは表土の乾きを目安に施す。夏期は過湿を避け乾燥気味に育てる。
施肥は植え付け後に緩効性の固形肥料を置肥。花後と秋に同じ肥料を置肥。

殖やし方は植え替え時の株分けと実生による。

●近縁種

チシマギキョウとイワギキョウの違い

チシマギキョウの花

チシマギキョウ
花冠の裂片に長い毛がある。

イワギキョウの花

イワギキョウ
チシマギキョウに比べて花が上向きに咲き、花冠の裂片に毛がない。

イトシャジン (カンパヌラ・ロツンディフォリア、北半球の温帯から寒帯に広く分布し、よく栽培される。)

イワギキョウ (北海道、本州(中部以北)、千島ほか。高山帯のやや湿った岩場に生える多年草。)

キキョウ (日本、朝鮮半島、中国に自生する多年草。)

ベルフラワー (南ヨーロッパ原産の矮性種。)

ホタルブクロ (ヤマホタルブクロの母種。ヤマホタルブクロより低地に生え、野原や丘陵に多い多年草。花冠はヤマホタルブクロに比べるとやや淡い色のものが多い。萼片の湾入部にそり返った付属体がある。)

ヤツシロソウ (九州の山地にまれに生える多年草。)

ヤマホタルブクロ (ホタルブクロの変種。萼裂片に反り返る付属体がない。)

●和名
千島桔梗。最初の産地が千島であったことから、この名がある。
●参考図書
園芸植物(山と渓谷社)、日本の山野草(NHK出版)、山野草大百科(講談社)