エゾエンゴサク

最終更新日
2019/03/09
●学名
Corydalis ambigua
●科名
ケシ科キケマン属
●花期
4月〜6月
●生育地
北海道・本州(中部地方以北)に分布する。山野の湿り気のある明るい林内に生える多年草。
●特徴

エゾエンゴサクは高さ10〜15cm。花は先が唇状に開き、距が長く後ろに突き出た特徴的な形をしており、花色の濃淡にはかなり個体差がある。葉は3回3出複葉で白っぽい緑白色。小葉は長さ1〜3cm、線形または広線形で変化が多い。苞は全縁〜3裂する。地下部に根茎の塊根がある。

スプリングエフェメラルの一種。

本州のエゾエンゴサクはオトメエンゴサクとして北海道のものとは区別されたとのことですが、本サイトでは使用している参考文献にまだそういった記述がないため、このままとさせていただきます。詳細は「野山の花アルバム」のオトメエンゴサクのページに詳しいので訪問して下さい。

●写真集

エゾエンゴサクエゾエンゴサク 新潟・佐渡

エゾエンゴサクエゾエンゴサク 春の庭

●育て方

春は日当たり、花後は半日陰でやや乾き気味に管理。

花後すぐに地上部は枯れてしまうので、液肥をまめに与えて短期間に肥培することが必要。

用土は水はけの良いものを用いる。

肥培がうまくいけば、分球して増える。

●近縁種

エゾエンゴサクとヤマエンゴサク、ジロボウエンゴサクの違い

エゾエンゴサクの苞

エゾエンゴサク
花の下の苞(つぼみを包んでいた葉)に切れ込みがない

ヤマエンゴサクの苞

ヤマエンゴサク
花の下の苞が切れ込む

ジロボウエンゴサクの苞

ジロボウエンゴサク
ヤマエンゴサクにある苞の切れ込みがない。


ジロボウエンゴサク (本州の関東以南、四国、九州に分布。ヤマエンゴサクにある苞に切れ込みがない。)

ミチノクエンゴサク (中部地方以北の日本海側に分布。ヤマエンゴサクによく似ているが、全体に細長い。)

ミヤマキケマン (本州の近畿地方以北に分布。山地 日当たりのよい、林縁、道路法面、崩壊地、谷川の礫地などに生える越年草。)

ムラサキケマン (平地や山麓の日陰の、やや湿ったところに生える越年草。)

ヤマエンゴサク (本州・四国・九州に分布。花色は青紫〜赤紫色まで幅がある。エゾエンゴサクは,托葉の全縁か大きく不規則に切れ込むが,ヤマエンゴサクでは,櫛の歯状に細かく切れ込むことで区別する。)

海外には300種を超えるコリダリスがあり、花色もさまざまなものがある。

●和名
蝦夷延胡索。蝦夷に生えることと、地中の塊茎が漢方薬の「延胡索」に似ていることからこの名が付けられた。
●参考図書
山草図鑑(栃の葉書房) 、山に咲く花(山と渓谷社)