ジロボウエンゴサクは全草が白みを帯びた緑色でやわらかく、小型で繊細な姿を持つ。地中に径1cmほどの塊茎があり、細い径や葉を数個出す。茎は高さ10〜20cm、先端に少数の紅紫色から青紫色の花を総状につける。花は長さ1.2〜2.2cmの筒状で、先端は唇状に開き、後部は距となる。4〜5月に長さ1〜2cmの紅紫色〜青紫色の花を総状に咲かせる。苞は卵形。実は長さ15〜25mmの線形で細長く、中に径約1mmのタネが数個入る。
ジロボウエンゴサク 春の野山
よく日の当たる場所で管理するが、花後は半日蔭にした方が葉が長持ちする。
肥料を好むので、早春から早めに肥培し、葉のある時期は薄い液肥を与えると良い。
赤玉土と軽石を混合して水はけ良く植え付ける。
増殖は実生が容易。庭植えにしても好適である。
ジロボウエンゴサクとヤマエンゴサク、エゾエンゴサクの違い
ジロボウエンゴサク
ヤマエンゴサクにある苞(つぼみを包んでいた葉)の切れ込みがない。
ヤマエンゴサク
花の下の苞が切れ込む
エゾエンゴサク
花の下の苞に切れ込みがない
エゾエンゴサク (本州北部の日本海側と、北海道の湿った林下やスキー場のような開墾地似生える多年草。)
キケマン (関東地方以西の海岸や低地に生える越年草。黄花。)
ミチノクエンゴサク (中部地方以北の日本海側に分布。ヤマエンゴサクによく似ているが、全体に細長い。)
ミヤマキケマン (本州の近畿地方以北に分布。山地 日当たりのよい、林縁、道路法面、崩壊地、谷川の礫地などに生える越年草。)
ムラサキケマン (平地や山麓の日陰の、やや湿ったところに生える越年草。)
ヤマエンゴサク (山林の林下に群れをなして生える多年草。)