ジロボウエンゴサク

最終更新日
2018/04/09
●学名
Corydalis decumbens
●科名
ケシ科キケマン属
●花期
4月〜5月
●生育地
本州(関東地方以西)、四国、九州に分布。川岸や低地の草原などに生える多年草。
●特徴

ジロボウエンゴサクは全草が白みを帯びた緑色でやわらかく、小型で繊細な姿を持つ。地中に径1cmほどの塊茎があり、細い径や葉を数個出す。茎は高さ10〜20cm、先端に少数の紅紫色から青紫色の花を総状につける。花は長さ1.2〜2.2cmの筒状で、先端は唇状に開き、後部は距となる。4〜5月に長さ1〜2cmの紅紫色〜青紫色の花を総状に咲かせる。苞は卵形。実は長さ15〜25mmの線形で細長く、中に径約1mmのタネが数個入る。

●写真集

ジロボウエンゴサクの花ジロボウエンゴサク 春の野山

●育て方

よく日の当たる場所で管理するが、花後は半日蔭にした方が葉が長持ちする。

肥料を好むので、早春から早めに肥培し、葉のある時期は薄い液肥を与えると良い。

赤玉土と軽石を混合して水はけ良く植え付ける。

増殖は実生が容易。庭植えにしても好適である。

●近縁種

ジロボウエンゴサクとヤマエンゴサク、エゾエンゴサクの違い

ジロボウエンゴサクの苞

ジロボウエンゴサク
ヤマエンゴサクにある苞(つぼみを包んでいた葉)の切れ込みがない。

ヤマエンゴサクの苞

ヤマエンゴサク
花の下の苞が切れ込む

エゾエンゴサクの苞

エゾエンゴサク
花の下の苞に切れ込みがない


エゾエンゴサク (本州北部の日本海側と、北海道の湿った林下やスキー場のような開墾地似生える多年草。)

キケマン (関東地方以西の海岸や低地に生える越年草。黄花。)

ミチノクエンゴサク (中部地方以北の日本海側に分布。ヤマエンゴサクによく似ているが、全体に細長い。)

ミヤマキケマン (本州の近畿地方以北に分布。山地 日当たりのよい、林縁、道路法面、崩壊地、谷川の礫地などに生える越年草。)

ムラサキケマン (平地や山麓の日陰の、やや湿ったところに生える越年草。)

ヤマエンゴサク (山林の林下に群れをなして生える多年草。)

●和名
次郎坊延胡索。和名の次郎坊は太郎坊(スミレ)に対する方言名で、子供が花の距をひっかけて遊んだことによる。延胡索はこの仲間の漢名。
●参考図書
日本の野草(山と渓谷社)、山草辞典(栃の葉書房)、山野草大百科(講談社)