主に温帯に5属650種、日本に1属12種、日本の固有植物は1属2種7変種。少数は熱帯に分布する草本または常緑低木である。葉は螺旋状に配列し、葉緑が分裂する。掌状葉、欠刻、鋸歯がある。拓葉はある。花序は散形、集散花序になる。花は整正、花弁5、萼は5分裂、宿存する。距がある種類とない種類がある。雄しべは離性、花弁の2または3倍、子房上位。刮ハは縦に5裂し、このとき1種子を巻き上げながら飛ばす。
(印象)飛び出した花柱と雄しべが印象的なフウロソウの仲間だが、山や植物園で見られるものは、シロや淡いピンク色の花が印象的。群落をつくって花数でさらに豪華に見せてくれる。家で育てるのもチシマフウロなど高山性や寒地性のものは気難しいが、普通は放ったらかしでも毎年咲いてくれるかわいいやつなのだ。
フウロソウ属(Geranium)・・・世界各地に300種。日本に12種が自生する。ほとんどが宿根草で、ほかに半低木。根生葉と茎葉があり、葉身は掌状に全裂または深裂する。花は5数性、ふつう2個ずつ対になって咲く。子房の中心を貫く心皮間柱があり、果実はふつう心皮間柱にぶら下がるように巻き上がって割れる。
日本固有植物はビッチュウフウロは本州(中部南部から中国地方)に分布し、花は2cmほどである。エゾフウロは南千島、北海道、本州北部と中部に分布し、萼片に開出毛が密生する。 ハクサンフウロは北海道、本州(伊吹山以北)に分布し、萼片に伏毛がある。ハマフウロは北海道、本州(東北)に分布し、葉の切れ込みが浅く、萼片の開出毛は少ない。エゾフウロは種としても固有である。カイフウロは本州(山梨県三ツ峠)に分布し、葉の裂片は尖り、全体に毛が少ない。ヤマトフウロは本州(奈良県大峰山)に分布し、葉の裂片は深く切れ込む。ヤクシマフウロは屋久島に分布し、葉は小さく幅1〜2cmほどである。ツクシフウロは、日本、朝鮮半島、中国東北部に分布するアサマフウロの変種であり、九州(久住山、阿蘇山)に分布し、葉の裏面に全体に細毛がある。ホコガタフウロは本州(栃木県日光)に分布し、葉は即裂片が張り出してほこ型になる。

その他としてはアカヌマフウロ、、アメリカフウロ、イブキフウロ、グンナイフウロ、ゲラニウム・マクロリズム、ゲンノショウコ、シコクフウロ、タカネグンナイフウロ、チシマフウロ 、ヒメフウロなど。 
ペラルゴニウム(テンジクアオイ)属(Pelargonium)・・・ペラルゴニウムと総称される属で、南アフリカ原産の半低木、宿根草、一年草。形態の変化が大きい。約230種が知られ園芸的に多数の種が栽培されている。参考文献
日本の固有植物 (国立科学博物館叢書)
最終更新日 2018/02/26