ハクサンフウロ・アカヌマフウロ

最終更新日
2017/10/24
●学名
Geranium yesoemse var.nipponicum
●科名
フウロソウ科フウロソウ属
●花期
7月〜8月
●生育地

身近に生え、薬草としてもよく知られるゲンノショウコの仲間がフウロソウ属。この属は温帯に250種ほどがあり、日本には帰化種を含めて13種ほどが分布する。山野草として栽培される日本原産種は少なく、海外種が多く導入されている。

ハクサンフウロ (高原や高山の草地に生える多年草。本州中部地方以北の高山から亜高山帯にに分布する。)

アカヌマフウロ (日光戦場ヶ原の赤沼のほとりに咲き、ハクサンフウロと同種とされる。)

●特徴

茎は直立し、高さ20〜70cmになる。葉は掌状に5〜7深裂し、裂片はさらに分裂して細片となり、表面には細毛がある。花は5弁で基部に白毛が密生し、淡紅色に濃色の条が目立つ。

●写真集

ハクサンフウロの花ハクサンフウロ 日光・白根の高山植物

アカヌマフウロの花アカヌマフウロ 日光・白根の高山植物

●育て方

草丈が伸び鉢植えには向かない。
水はけのよい山砂を主体に、桐生砂、赤玉土を少し混合した用土に植える。
日光を好むので南向きの風通しの良いところに置く。
根張りがよいので、一年に一度は植え替えする。
肥料を好むので、薄い水肥を真夏と梅雨時を避けて、月1〜2回与える。
殖やし方は種子ができにくいので、3月に植え替えをかねて株分けをする。

●近縁種

アサマフウロ (濃い紅紫色の美しい花で、本州の中部から朝鮮半島、中国に分布。)

カイフウロ (山梨県特産種でイヨフウロの変種。)

ゲラニウム・マクロリズム (ヨーロッパからコーカサス山脈に分布する多年草。)

ゲンノショウコ (日本各地に分布する。古くから下痢止めの薬草として用いられている。)

グンナイフウロ (タカネグンナイフウロの母種。茎や葉柄、花柄に開出毛と腺毛がある。花は紅紫色で濃淡があり、直径約3cm、茎頂に集散状に10数個つく。)

タカネグンナイフウロ (タカネグンナイフウロは山地に生えるグンナイフウロの高山型。茎や葉柄、花柄に開出毛と腺毛がある。花は紅紫色で濃淡があり、直径約3cm、茎頂に集散状に10数個つく。)

チシマフウロ (高山や海岸近くの草地に生え、本州の北部から北海道、北方に分布。鉢植えによく、白花も流通。)

ビッチュウフウロ (本州中部以西に自生する。高さ40〜70cm。8〜11月に径約2cmの淡紅紫色花を咲かせる。)

ヒメフウロ (近畿、四国の一部に分布。一年草または越年草。タネで繁殖。)

ヤクシマフウロ (葉、花とも小ぶりで、鉢植えに適する屋久島の原産種。)

●和名
白山風露。和名は石川県白山に産することによる。
●参考図書
日本の高山植物(山と渓谷社)、山野草大百科(講談社)、山草図鑑(栃の葉書房)