パンジー・ビオラ

最終更新日
2017/12/10
●学名
Violaceae ×wittrockiana(=tricolor)
●科名
スミレ科スミレ(ビオラ)属
●花期
秋〜初夏
●生育地

ヨーロッパ〜西アジアに分布する一年草のトリコロルは、1813年からイギリスを中心に積極的に品種改良がなされ、1855年には400品種が育成され、花径4cm以上のショー・パンジーが完成した。一方ベルギーやフランスでは花径5cm以上のファンシー・パンジーを完成させた。その後花壇での鑑賞に重点が置かれ、フランスでは種子繁殖系のトリマルド系、ドイツでは中輪のヒエマリス系を育成した。これらのパンジーはトリコロルの他に、同属のルテア、コルヌタ、アルカイタ、カルカラタなどと交雑され、遺伝的には複雑になっている。一方、コルヌタ種の血を強く引く系統に小輪多花性のタフテッド・パンジーとよばれるグループがある。日本では小輪パンジーまたはビオラと呼んでいるが、区別は難しくなっている。戦後はアメリカで花径8〜10cmの大輪系の育種が進んだ。現在のパンジーは耐寒性が強く、秋から初夏までの花壇材料として不可欠な素材となっている。

●特徴

花径10〜12cmの超巨大輪種、大輪種、中輪種、ビオラと呼ばれる小輪多花性種がある。

●写真集

パンジー・ビオラの花パンジー 早春の庭

●育て方

秋から出回る苗を購入すると簡単。日当たりと水はけの良い花壇に植える。また、 高温期を避け、6〜9月に播種すると、秋から翌年の初夏まで鑑賞できる。

植えつけ時に元肥を十分に入れるほか、生育の良い春からは追肥を与える。

用土の過湿を避けて、表面が乾いたらたっぷりと水やりを。

タネができると株が弱って花つきが悪くなる。咲き終わった花がらは早めに花首から摘み取るとよい。完全にしおれるのを待たず、花弁の縁が痛み始めたり、しおれ始めたら摘みとる。花弁の下にタネができるので、花弁だけでなく、花首の下から茎を摘み取ること。

タネから比較的簡単に増やすことができる。発芽の適温は15〜20℃、暖地では9月、寒地では8月が適期となる。高温では発芽率が悪く、病気の被害を受けやすいので、温度が下がるのを待ってタネをまくことが大切。タネをまいてから2週間ほどで発芽する。1ヶ月ほどたって本葉が4〜6枚になったら移植する。

●近縁種

エイザンスミレ (本州〜九州の山地の木陰に自生。花は大型で淡紅紫色か白色花もあり、葉の切れ込みが大きく芳香がある。花期は4〜5月。)

オオタチツボスミレ (日本各地に分布するが、日本海側に多く見られる。大柄で、距は白色。)

オオバキスミレ (北海道から近畿地方までの、主に日本海側の多雪地に生える。)

キバナノコマノツメ (北海道・本州の中部地方以北・四国に分布、高山帯の湿り気のある草地に自生。)

ジョウエツキバナノコマノツメ (谷川岳と至仏山の蛇紋岩地に生えるキバナコマノツメの変種。)

スミレ (日本全国に分布し、日当たりのよいところに生える多年草)

タチツボスミレ (日本全国の山野に分布。低地〜山地に群生する。最も普通に見られるスミレ)

ナガハシスミレ (本州北部〜鳥取県ノ日本海側の山地に自生。長い距が特徴。花期は4〜5月。基本種は北アメリカ産。)

ニオイスミレ (ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア原産でイングリッシュバイオレット、スイート・バイオレットなどの英名がある。)

ニオイタチツボスミレ (北海道の函館から九州の屋久島まで、ほぼ日本全土の日当たりのいい草地などに生える。)

ミヤマキスミレ (北海道から中部地方以北の日本海側に生える。)

ヤクシマスミレ (徳之島、奄美、屋久島、沖縄本島北部に生える小型のスミレ)

●和名

パンジーの名は、斑の入った花を買おに見立て、フランス語のパンセ(考える)にちなんでつけられた。

別名
パンジー → 三色すみれ、コチョウソウ
ピオラ → タフテッドパンジー

●参考図書
園芸植物(山と渓谷社)、花と木の名前(主婦と生活社)