オオバキスミレ

最終更新日
2019/04/18
●学名
Viola brevistipulata
●科名
スミレ科スミレ属
●花期
6月〜7月
●生育地

北海道から近畿地方までの、主に日本海側の多雪地に生える。日本の特産種で変化が多く、さまざまな変種が知られている。湿った林下に群生することが多い。

●特徴

地下茎は長く横にはい、株を分けてふえる。茎は高さ15〜30cmとなる。根生葉は少数で長さ幅とも4〜10cm、先端は鋭くとがり、基部は心形でふちには鋸歯がある。葉の質は薄くてやわらかい。茎につく葉は上部に3〜4枚つき、一番下の1枚はやや離れてつく。上部の葉ほど小さく、葉柄も短い。花は葉のわきから1〜3個でる長さ3〜7cmの花柄の先につき、径1.5〜2cmで花弁は黄色、側弁の基部に毛があり、距はいちじるしく短い、キスミレの仲間は花柱の頭部がふくらんで、その両側に短い突起毛がある。

●写真集

オオバキスミレの花オオバキスミレ 尾瀬

●育て方

黄花のスミレは高山性が多く、栽培はどれもやさしくない。

日当たりで管理するが、夏は半日陰で涼しく育て、冬は寒風が避けられるよう保護する。

灌水は1日1回を目安にし、肥料は時々薄い液肥を与える。

植え替えは春の芽出し前が適期。

硬質鹿沼土・軽石の混合で植え付ける。鉢は深鉢で素焼きが望ましい。

増殖は株分け・実生・根伏せによる。

栽培では4〜5月に開花。

●近縁種

アカネスミレ (日本各地の低地や丘陵地に自生する多毛のスミレ。花色は濃紅紫色で、花期は4月。)

エイザンスミレ (本州〜九州の山地の木陰に自生。花は大型で淡紅紫色か白色花もあり、葉の切れ込みが大きく芳香がある。花期は4〜5月。)

オオタチツボスミレ (日本各地に分布するが、日本海側に多く見られる。大柄で、距は白色。)

キスミレ (日当たりの良い山地の草地に生える多年草。)

キバナノコマノツメ (北海道・本州の中部地方以北・四国に分布、高山帯の湿り気のある草地に自生。)

シソバキスミレ (北海道夕張岳に分布。葉が厚く、艶があり、シソに似た葉を付ける。)

ジョウエツキバナノコマノツメ (谷川岳と至仏山の蛇紋岩地に生えるキバナコマノツメの変種。)

スミレ (日本全国に分布し、日当たりのよいところに生える多年草)

タカネスミレ (北海道・本州の中部地方以北に分布、高山の砂礫地に自生。)

タチツボスミレ (日本全国の山野に分布。低地〜山地に群生する。最も普通に見られるスミレ)

ナガハシスミレ (本州北部〜鳥取県ノ日本海側の山地に自生。長い距が特徴。花期は4〜5月。基本種は北アメリカ産。)

ニオイタチツボスミレ (北海道の函館から九州の屋久島まで、ほぼ日本全土の日当たりのいい草地などに生える。)

パンジー (花径10〜12cmの超巨大輪種、大輪種、中輪種、ビオラと呼ばれる小輪多花性種がある。)

ヒメスミレ (本州の秋田県以南・四国・九州の人家周辺に自生する。小型で淡紅紫色の駐輪。花期は3〜5月。)

ミヤマキスミレ (北海道から中部地方以北の日本海側に生える。)

ミヤマスミレ (北海道、本州、四国に分布し、山地から亜高山の針葉樹林帯に生え、淡紅紫色の花を咲かせる。)

ヤクシマスミレ (徳之島、奄美、屋久島、沖縄本島北部に生える小型のスミレ)

●和名
大葉黄菫。
●参考図書
日本の野草(山と渓谷社)、山草図鑑(栃の葉書房)