ミヤマスミレ

最終更新日
2019/04/18
●学名
Viola selkirkii
●科名
スミレ科スミレ属
●花期
5月上旬〜6月中旬
●生育地

北海道、本州、四国に分布し、山地から亜高山の針葉樹林帯に生える。
本州中部では標高1000m以上に見られる。しかし一定の標高以上のところではどこにでも見られるスミレで、東北では低山から、北海道では低地の落葉樹林などでもふつうに見られる。本州での分布は福井県あたりまではほぼ連続しているが、西日本では広島県や四国山地などにとびとびに分布している。国外では北半球の冷温帯に広く分布している。基準標本産地はカナダ。生育環境としては、湿り気のある落葉樹林帯に多い。とくに北海道では個体数が多く、山地の道ばたや稜線のハイマツのふちなど、幅広いところに見られる。

●特徴

草丈は3〜10cm。根を伸ばして増えるため、一面に広がっていることが多い。葉は長さ幅とも2〜3cmの卵心形で先はとがり、基部は深い心形、粗い鋸葉がある。花は淡紅紫色で側弁は無毛、距は長さ6〜8mm。

●写真集

ミヤマスミレの花ミヤマスミレ 尾瀬

●育て方

●近縁種

アカネスミレ (日本各地の低地や丘陵地に自生する多毛のスミレ。花色は濃紅紫色で、花期は4月。)

エイザンスミレ (本州〜九州の山地の木陰に自生。花は大型で淡紅紫色か白色花もあり、葉の切れ込みが大きく芳香がある。花期は4〜5月。)

オオタチツボスミレ (日本各地に分布するが、日本海側に多く見られる。大柄で、距は白色。)

オオバキスミレ (北海道から近畿地方までの、主に日本海側の多雪地に生える。)

キバナノコマノツメ (北海道・本州の中部地方以北・四国に分布、高山帯の湿り気のある草地に自生。)

ジョウエツキバナノコマノツメ (谷川岳と至仏山の蛇紋岩地に生えるキバナコマノツメの変種。)

シロバナミヤマスミレ (花がが白色のもの。)

スミレ (日本全国に分布し、日当たりのよいところに生える多年草)

タチツボスミレ (日本全国の山野に分布。低地〜山地に群生する。最も普通に見られるスミレ)

ナガハシスミレ (本州北部〜鳥取県ノ日本海側の山地に自生。長い距が特徴。花期は4〜5月。基本種は北アメリカ産。)

ニオイタチツボスミレ (北海道の函館から九州の屋久島まで、ほぼ日本全土の日当たりのいい草地などに生える。)

パンジー (花径10〜12cmの超巨大輪種、大輪種、中輪種、ビオラと呼ばれる小輪多花性種がある。)

ヒメスミレ (本州の秋田県以南・四国・九州の人家周辺に自生する。小型で淡紅紫色の駐輪。花期は3〜5月。)

フイリミヤマスミレ (葉脈沿いに白い班が入る。北海道に多く、本州でもときどき見るかる。葉は暗緑色になり、裏面は紫色を帯びる。花の色も青みが強く、北海道の超塩基性岩地帯では強い紫色を帯びた美しいものが見られる。)

ミヤマキスミレ (北海道から中部地方以北の日本海側に生える。)

ヤクシマスミレ (徳之島、奄美、屋久島、沖縄本島北部に生える小型のスミレ)

●和名
深山菫。
●参考図書
日本のスミレ、山に咲く花(山と渓谷社)