四季の山野草図鑑／タツタソウ

最終更新日

2017/07/17

●学名

Jeffersonia dubia

●科名

メギ科タツタソウ属

●花期

早春

●生育地

中国東北部、朝鮮半島北部、ロシアのアムール流域に野生する多年草。

●特徴

葉は腎臓形で径約10㎝、長さ20㎝の長い葉柄を地際から伸ばす。早春に上品な淡紫色の花をつける。白花もある。

●写真集

アメリカタツタソウ　春の庭

●育て方

通常の植えつけは５～７号の中深鉢に、肥沃な用土（赤玉土４に軽石砂４，腐葉土２などの混合土）で植える。成長が活発なので１～２年に１度行う。適期は花後の５～６月中旬と、９月中旬～１０月中旬。

置き場所は年間を通して日のよく当たる場所に置くが、冬期は寒風や強い霜を避けること。

水やりは新芽の展開時から開花期間にかけては少し多めに与え、その後は表土の乾きを見てたっぷりと与える。落葉して冬期に休眠する種にも与える。

殖やし方は植え替え時の株分けか、株分け時に切り離した固い古い根茎の根伏せ、もしくは実生増殖ができる。

●近縁種

アメリカタツタソウ　(北アメリカ北部産の、葉が2つに裂ける。)

イカリソウ　（日本全国の樹林下に野生する多年草。花色の変異は強く、淡紫色から濃桃色にわたる。白花もある。）

キバナイカリソウ　（薄黄色の花で北海道から本州の日本海側を中心に分布する。関東の一部の高山の蛇紋岩帯に生える小型で薄黄色花のクモイイカリソウはこの種の変種と見られている。）

クモイイカリソウ　（北関東や上越国境の一部蛇紋岩帯の高地に生え、小葉の縁に棘状の毛がない。）

サンカヨウ　（本州（中部地方以北）から北海道・樺太似分布し、深山の林床や沢に生える多年草。）

トキワイカリソウ　（紅紫色から白色の花で、冬でも葉の枯れない常緑種。本州の中部以西の日本海側に多い。）

バイカイカリソウ　（白花で花弁に距のない小型の花を咲かせる種で、本州の中国地方、四国、九州に分布する。）

●和名

竜田草。日露戦争時代の軍艦、竜田丸の名にちなむ。
別名イトマキソウ。ロシアのアムール流域に野生する多年草。

●参考図書

園芸植物（山と渓谷社）、山野草大百科（講談社）