イカリソウ

最終更新日
2017/07/17
●学名
Epimedium grandiflorum var. thunbergianum
●科名
メギ科イカリソウ属
●花期
4月〜5月
●生育地

イカリソウ属は東アジアを中心に南ヨーロッパから北アフリカに約20種が分布する多年草。日本にはイカリソウ、バイカイカリソウ、キバナイカリソウ、トキワイカリソウなどが分布し、さらに地方変種や亜種、自然雑種も多い。
イカリソウは落葉樹林の林床や林縁などでよく見かける野草で、北海道西南部から本州、四国、九州に分布する多年草。

●特徴

葉は1〜3回3出複葉で小葉は卵形、縁にはとげ状の毛がある。花は直径約2pで花弁は4個、紅紫色〜白色。基部に長さ1.5〜2pの距がある。茎は高さ20〜40cm。

●写真集

イカリソウイカリソウ 春の庭

イカリソウイカリソウ 日光植物園

●育て方

大変にやさしい。
通常の植えつけは5〜7号の中深鉢に、肥沃な用土(赤玉土4に軽石砂4,腐葉土2などの混合土)で植える。成長が活発なので1〜2年に1度行う。適期は花後の5〜6月中旬と、9月中旬〜10月中旬。

置き場所は年間を通して日のよく当たる場所に置くが、冬期は寒風や強い霜を避けること。

水やりは新芽の展開時から開花期間にかけては少し多めに与え、その後は表土の乾きを見てたっぷりと与える。落葉して冬期に休眠する種にも与える。

殖やし方は植え替え時の株分けか、株分け時に切り離した固い古い根茎の根伏せ、もしくは実生増殖ができる。

●近縁種

オオバイカリソウ (石灰岩地にまれに生える多年草。バイカイカリソウとトキワイカリソウの雑種起源とする説もある。)

キバナイカリソウ (薄黄色の花で北海道から本州の日本海側を中心に分布する。関東の一部の高山の蛇紋岩帯に生える小型で薄黄色花のクモイイカリソウはこの種の変種と見られている。)

クモイイカリソウ (北関東や上越国境の一部蛇紋岩帯の高地に生え、小葉の縁に棘状の毛がない。)

サンカヨウ (本州(中部地方以北)から北海道・樺太似分布し、深山の林床や沢に生える多年草。)

タツタソウ (早春に上品な淡紫色の花をつけ、山草として人気がある。)

トキワイカリソウ (紅紫色から白色の花で、冬でも葉の枯れない常緑種。本州の中部以西の日本海側に多い。)

バイカイカリソウ (白花で花弁に距のない小型の花を咲かせる種で、本州の中国地方、四国、九州に分布する。)

ヒゴイカリソウ (肥後碇草は熊本県に産し、葉の両面に開出毛があり、花が白色のもの。ヒゴイカリソウは形質が連続することから、ヤチマタイカリソウに含む見解がある。)

ヒメイカリソウ (イカリソウとバイカイカリソウの雑種起源と考えられている。)

ヤチマタイカリソウ (基本種の八衢碇草は石灰岩地に生え、葉は3回3出以上、小葉は小型で両面とも無毛。花は白色。本州、四国、九州に分布する。)

また、イカリソウの栽培品種に紅孔雀、寿、小町姫、仙人、玉すだれ、多摩の源平、虹都、春がすみ、紫水晶など多くの品種がある。

●和名

碇草、錨草。その名は花形を船の碇に見立てたもの。
別名サンシクヨウソウ。

●参考図書
日本の山野草(NHK出版)、 趣味の山野草・栽培大辞典(鞄ネの葉書房)、山野草大百科(講談社)