国花でもあるサクラは、日本の文化と精神風土に根付いた花である。落葉高木〜低木で、自生種は日本に約30種あり、園芸品種は300種を越える。
代表的なサクラ「ソメイヨシノ」はエドヒガンとオオシマザクラの雑種といわれる。花びらは5枚ある。
桜吹雪 大平山
サクラ 日光・白根
サクラ 星野自然村
サクラ 春の野山
サクラ 日光植物園
カンザクラ 早春の野山
日当たり、水はけがよく、土層の深い肥沃地が適している。
植え替えは暖地では11〜12月に扱ってもよいが、東京以北では2月下旬〜3月下旬が適期。成木の移植はあまり好まない。
「サクラ切る馬鹿、ウメ切らぬ馬鹿」のたとえどおり、剪定を嫌う。大枝の切り口が癒合しにくく、腐敗菌が侵入しやすい。必要な場合は付け根から切り取り、接ぎロウや石灰硫黄合剤を塗って保護する。
施肥は12〜2月に、堆肥や鶏糞、油粕、配合飼料などを与える。
殖やし方は接ぎ木、春ざし、実生。
イヌザクラ (カワミズザクラによく似ていますが、花穂の下部に葉が付かないのが特徴です。)
ウメ (中国原産の落葉低木。古く遣唐使が中国からもたらした花木で、多くの品種がある)
ウワミズザクラ (山に多く、花が穂の形に密生するという変わったサクラです。雄しべが長くてよく目立ち、夏にはたくさん実が付きます。)
エドヒガン (各地に残っているサクラの巨樹・名木は、エドヒガンを親とするものが多く、これはエドヒガンが他種に比べて寿命が長い性質を持つことや栽培の歴史が古いことを物語っています。エドヒガンは本州、四国、九州に広く自生します。また花や葉はエドヒガンと同じで、枝が長く垂れ下がっているものをシダレザクラと呼び、ヤエベニシダレをはじめ、各地に名木があり、天然記念物の指定も多く受けています。)
オオシマザクラ (伊豆七島の生まれ。サトザクラの代名詞にまでなっているソメイヨシノは、オオシマザクラとエドヒガンの交配で生まれたものです。江戸末期に江戸のはずれの染井村(現豊島区駒込)の植木屋から広まったもので、最初サクラの名所、吉野山の名をとって「吉野桜」として売りだされましたが、吉野山のヤマザクラと混同されるので染井吉野と名付けられました。毎年3月に気象庁からサクラの開花予想が発表され、日別に結んだ線は「サクラ前線」と呼ばれていますが、これは日本で一番広範囲に植えられているソメイヨシノの開花日が基準になっています。ソメイヨシノが九州南端で開花してから東京まではわずか1週間前後、しかし、東京から東北の北部までは1ヶ月かかり、札幌では1ヶ月半おくれます。
オオヤマザクラ (寒冷な産地に生え、花の色が濃くて鮮やかなのが特徴。別名エゾヤマザクラ。)
カスミザクラ (遅咲きで、花の柄や葉に毛があります。)
カンザクラ (2月ころ、葉の出る前に、淡紅色の5弁花が咲く。カンヒザクラとオオシマザクラの雑種といわれる。)
カンヒザクラ (南国生まれで、濃いピンクの花を咲かせ、花から蜜がたくさん出ます。別名ヒカンザクラ。)
カワヅザクラ (ガンヒザクラを片親とする品種。)
チョウジザクラ (花は径1.5cmぐらいで、サクラ類中最小。)
マタザクラ (富士山や箱根に多く見られるかわいいサクラ。別名富士桜、ハコネザクラ。)
ミネザクラ (サクラの中のいちばん高いところに咲き、別名タカネザクラ。チシマザクラはミネザクラの変種で、葉や花部に毛があります。)
ミヤマザクラ (花のつき方がほかのサクラと違って総状になります。)
ヤマザクラ (本州、四国、九州の低山に生え、花と一緒に赤味を帯びた葉が出るのが特徴です。古くから日本人に親しまれてきたサクラで、名所としては奈良県吉野山が有名。材は家具、器具などに使われます。)