ノアザミ

最終更新日
2019/08/04
●学名
Cirsium japonicum
●科名
キク科アザミ属
●花期
5月〜8月
●生育地

本州、四国、九州の分布。山野の日当たりのよい草地に生える多年草。

●特徴

茎が60〜100cmと高く、上部で分岐して、その先端に紅紫色の花をつけるので、よく目につく。花は花径4〜5cmと大きい。野生のアザミで春に咲く品種は本種のみ。白花種もある。
花を包む総苞は卵状の球形で粘りがあり、総苞片の先は短いトゲとなる。葉は羽状に裂け、先端はトゲとなる。

●写真集

ノアザミの花ノアザミ 日光・白根

ノアザミの花ノアザミ 尾瀬

ノアザミノアザミ 花之江の郷

アザミ図鑑としては、国立科学博物館の日本のアザミが秀逸。

●育て方

-

●近縁種

オゼヌマアザミ (尾瀬の湿原に群生する高さ50〜100cmの多年草。)

オニアザミ (本州(東北・中部地方の日本海側)に分布。山地に生える多年草。)

ジョウシュウオニアザミ (ニッコウアザミとオニアザミの雑種とされる。)

ダイニチアザミ (本州(頸上山地天狗原山、白馬山系)に分布し、亜高山帯〜高山帯の開けた草地に生える多年草。)

タテヤマアザミ (ハッポウアザミに似るが、非蛇紋岩地帯に生える。)

ドイツアザミ (ノアザミの園芸品種。ハナアザミともいう。)

トゲアザミ (ノアザミの変種。全体に刺が多く、総苞片の刺針も長い。) 

トネアザミ (関東地方でもっとも普通に見られる1〜2mの多年草。中部地方や近畿地方にも産する。)

ナンブタカネアザミ (本州(栗駒山、月山、朝日岳、飯豊山、吾妻山、秋田県須川温泉)に分布。高山帯の開けた草地に生える多年草。)

ニッコウアザミ (東北南部〜中部地方に分布。葉身が2回羽状に深裂する。)

ノハラアザミ (草原に普通にみられる40〜100cmの多年草。頭花は紅紫色で、枝の先に直立してつく。本州(中部地方以北)に分布。)

ハッポウアザミ (長野県八方尾根の蛇紋岩地の草原に生え,紅紫色の花を下向きに咲かせる多年草。)

フジアザミ (本州の関東・中部地方の特に富士山周辺に多い大型種。花期は8〜10月。白花種もある。)

●和名
野薊。名は野に咲くアザミの意。
●花言葉
独立、安心、厳格、高潔
1263年に、ノルウェー軍がスコットランドの城に侵攻したときに、濠に生えていたアザミの葉の鋭いトゲがノルウェー兵士の侵入を防いだという逸話からきています。スコットランドが国花をアザミにしたのも、この話が由来です。
また、ギリシャ神話では、厳格で高潔な羊飼いに恋した女神アフロディテが、意のままにならない羊飼いに腹を立て、彼を盲目にしてしまいます。絶望した羊飼いが河に身を投げ、その河原に咲いた花がアザミといわれており、花言葉の「厳格」「高潔」はそこからきました。
●参考図書
日本の野草(山と渓谷社)、花と木の名前(主婦と生活社)、美しい花言葉・花図鑑(ナツメ社)