セリ科は主に北半球に428属3500種。日本に31属79種。日本の固有植物は27亜種27変種、2つの固有属を含む。APGV分類体系では一部の属がウコギ科へと移動している。
ほとんどが直立する多年草で一年草と木本もある。葉は互生、多くは羽状に細裂した複葉となる。散形または複散形花序に小さな多数の5弁花をつけ、果実が熟すると2つの分果に分かれて、中軸の先にぶら下がる。
特有の芳香があり、ニンジン、セロリ、パセリ、三つ葉、セリなどの野菜、トウキ、ミシマサイコの薬用、ウイキョウ、ディル、コエンドロなどの香辛料がある。
(印象)セリ科の白い花は山で見ると清楚なのに柄が大きくて派手さもある。平地では大きすぎて邪魔な存在になりそうだが、とても素敵な花たちだ。
タカネイブキボウフウ(別名タカネボウフウ)が本州(北アルプス)に分布する。イブキボウフウが北海道、本州、四国に分布する。
オオカサモチ属(Pleurospermum)・・・
葉は3出羽状複葉。総苞片も小総苞片も多数。分果の断面はやや平たい五角形。ユーラシアの温帯〜寒帯に2種あり、日本に1種が自生、オオカサモチがある。
ツクシゼリは本州(蒜山)、九州に分布し、茎は5〜25pほどで、花柄は10〜15本である。ヒナボウフウは屋久島に分布し、ツクシゼリより小型で、茎はふつう5〜25pほど、果実は長さ2〜2.5pほどである。ウバタケニンジンは四国、九州に分布し、茎は20〜50pほど、葉の最終裂片は長さ1〜3pほどである。オオウバタケニンジンは九州(宮崎)に分布し、ウバタケニンジンより大型で、茎は60〜90pほど。葉の最終裂片は長さ(2〜)3〜8.5pほどである。トウキは北海道〜四国に分布し、茎は無毛で、30〜70pほどで、葉の最終裂片は披針形から狭卵形で、幅1〜2.5pほど、果実の幅は1.2〜2oほどである。ミヤマトウキは北海道・本州に分布し、トウキに似るが、果実の幅は2〜3oほどである。ホソバトウキは北海道(夕張岳、アポイ岳など)に分布し、葉の最終裂片の幅は0.3〜0.8oほどである。シナノノダケは本州(長野)に分布し、高さ1mほどになる大形の多年草で、小花柄には腺毛がある。イヌトウキは四国、九州に分布し、シナノノダケに似るが、小花柄は無毛またはほぼ無毛で、腺毛はない。イシヅチボウフウは四国(石鎚山域)に分布し、茎は無毛で、花弁には1脈がある。トサボウフウは四国(石立山、高知県旧土佐山村)に分布し、イシヅチボウフウににるが、茎の上部には毛があり、花弁には羽状の脈がある。ヤクシマノダケは屋久島に分布し、茎は1.5mに達し、葉や小胞や花弁などに白色の油点がある。ツクシトウキは九州北部に分布し、ヤクシマノダケに似るが、油点がない。カワゼンコは本州(紀伊半島)に分布し、茎はB5cmほどに達し、花弁は白色、外側は紫色を帯びる。クマノダケは九州(佐賀、熊本)に分布し、カワゼンコに似るが、茎は30〜80cmほどであり、花弁は緑色である。ヒュウガトウキは九州中部(宮崎、熊本)に分布し、クマノダケ同様に花弁は緑色であるが、茎は1.8〜2.5mほどである。ミヤマノダケは四国、九州に分布し、茎は50〜80cmほどで、花弁は濃紫色、果実は長さ4oほどである。ツクシミヤマノダケは九州(熊本、宮崎)に分布し、ミヤマノダケに似るが、果実が大型で、長さ6oほどである。イワニンジンは本州(関東、東海)に分布し、葉は2〜3回3出複葉であり、ミヤマノダケに似るが、花弁は白色である。ノダケモドキは本州(関東、中部)に分布し、葉は1または2回複葉であり、小葉はイワニンジンより大型で、長さ5〜10cmほどである。ムニンハマウドは小笠原、琉球(南大東島)に分布し、混生葉および茎の下部の茎葉の鋸歯は鈍形で、小花柄は無毛になるか、まばらに毛がある。アシタバは本州(関東、伊豆半島、紀伊半島)に分布し、茎は80〜120pほどで、葉の表面は無毛で、小葉には鋭くやや不規則な鋸歯がある。 シシウドは本州、四国、九州に分布し、大型の多年草で、茎は1〜2mほどで、毛があり、小葉は卵形から楕円形で、先は急に尖る。ミヤマシシウド
は本州(東北南部から近畿)に分布し、茎は無毛で、小葉は広披針形から卵状長円形で、先は長く尖る。。ミチノクヨロイグサは本州(青森から山陰の日本海側)に分布し、茎は1〜2mほどで、葉の側小葉は披針形から狭卵形で、基部は沿下し、長さ10〜20cmほど、最終裂片は披針形から狭長円状卵形である。ハナビゼリは本州(東北以南)、四国、九州に分布し、茎は60〜80pほど、葉は2〜3回3出複葉で、葉柄は鞘状でふくらまない。ヒュウガセンキュウは九州(宮崎)に分布し、茎は1.5〜2mほどで、小葉は卵形から長円状卵形で、先は鋭形から鋭尖形である。
シラネニンジン属(Tilingia)・・・葉は3出複葉。総苞片および小総苞片は線形。萼葉がある。分果の断面はやや平たい五角形、無毛。東アジアの温帯〜寒帯に数種があり、日本に4種が自生する。シラネニンジン属、イブキゼリ属、マルバトウキ属をあわせて、大きくマルバトウキ属としてまとめる考え方もある。
本属にはミヤマウイキョウがある。
セントウソウは北海道、本州、四国、九州に分布し、小型の多年草で、茎は10〜30cmほどで細長く軟弱である。ミヤマセントウソウは本州、四国、九州に分布し、基準変種セントウソウより葉の最終裂片は糸状に細く、裂片は狭く、線形で、幅0.7〜2mmほどである。ヒナセントウソウは本州、四国に分布し、葉の最終裂片は糸状に細く、幅0.2〜0.6mmほどである。ヤクシマセントウソウは屋久島に分布し、さらに小型で、花序は単数形花序である。
ドクゼリ属(Cicuta)・・・日本には1種、ドクゼリが分布する。
この属にはオオハナウドが含まれる。
従来日本固有とされてきたミヤマセンキュウは中千島のウルップ島から最近報告されており、固有とはいえない。
ヤブジラミ属(Torilis)・・・日本には2種があり、2種が帰化している。参考文献
日本の固有植物 (国立科学博物館叢書)
高山に咲く花 増補改訂新版 (山溪ハンディ図鑑)
園芸植物 (山渓カラー名鑑)
最終更新日 2020/12/27