レンゲツツジ

最終更新日
2017/02/28
●学名
Rhododendron molle subsp. japonicum
●科名
ツツジ科ツツジ(ロドデンドロン)属
●花期
4月〜6月
●生育地

北海道の西南部と本州、四国、九州のやや深い山地や丘陵、高原などの、日当たりの良い適湿地に多く見られる落葉低木。

自生地として有名なものに、山梨県甲州市の三窪高原、 長野県東御市と群馬県吾妻郡嬬恋村の県境にあり国の天然記念物の指定を受けている、湯の丸高原つつじ平から地蔵峠周辺、 栃木県矢板市の八方ヶ原高原などがある。

●特徴
有毒で馬や牛が食べないので、放牧地などでも自生品がよく残り群生していることが多い。
高さ1〜2m。花は葉と同時に開き、枝先にかたまって咲き、直径5〜6p、5つに裂け、おしべは5本ある。花は朱橙色で、漏斗状、葉は8枚が輪生し、倒披針状楕円形。
●写真集

レンゲツツジの花レンゲツツジ 霧ヶ峰・蓼科

レンゲツツジの花
レンゲツツジ

キレンゲツツジの花レンゲツツジ 日光・白根
キレンゲツツジ

レンゲツツジの花レンゲツツジ 丸山(霧降)

●育て方

日当たり、水はけが良く、そのうえ必要な水分が保てるような用土に植える。夏は半日陰がよく、乾燥に弱いので注意する。 1日1回十分に灌水、鉢植えで乾き気味にすると作落ちするので注意する。

肥料は夏と冬を除いて置き肥をする。

植え替えは数年に一回、3月か9月頃、水はけが悪くならないように行う。
硬質鹿沼土単用または硬質赤玉土や桐生砂を混合して中深鉢に植え付ける。庭植えにすると良い。

殖やすには梅雨時期の挿し芽が用意。

●近縁種

アカヤシオ (福島県から三重県に分布。 花は淡い紅色で、枝先に1輪つける。 )

ウラジロレンゲツツジ (葉裏が粉白色のもの。紅葉のころも葉裏の白い部分が目立つ。)

キレンゲツツジ (レンゲツツジの変異で、花色に濃淡があり、黄橙色または黄色の品種。大分県の清田川の流域に自生があり、広く栽培されている。)

クロフネツツジ (朝鮮半島北部から中国東北区にかけて分布し、日当たりの良い山野など、低木が点在するような所に自生している落葉低木。)

ゲンカイツツジ (日当たりのよい岩場などに自生する落葉低木。)

シロヤシオ (山地から深山にかけての林の中や、岩の多い林縁などに生える。)

ハイヒカゲツツジ (屋久島特産種。樹高が低く、岩の間などに自生。)

ヒカゲツツジ (本州の関東地方以西、四国、九州に分布。山地帯の岩上や崖などに自生。)

ムラサキヤシオツツジ (深山や高山に生える高さ1〜2mの落葉低木。)

●和名
蓮華躑躅。花や葉が輪状に並ぶ様子を蓮華(ハス)にたとえてこの名がついた。
別名鬼躑躅、ウマツツジ、ヘコツツジ
信州の安曇平で歌われる安曇節に「聞いて恐ろし見て美しや五月野に咲く鬼つつじ」という一節がある。可憐なヤマツツジに対し、大型で真っ赤なレンゲツツジの花を鬼に見立てたものである。
●参考図書
日本の園芸植物(山と渓谷社) 山草辞典((鞄ネの葉書房)