日本固有。北海道から九州まで全国に分布し、やや高い山で、あちこちに岩が顔を出していて、木立がまばらな斜面などを好んで生えている多年草。
高さ10〜15cm。葉は根際に群生し、円形で縁に鋸歯があり、革質で光沢がある。根生葉の中央から花茎を伸ばし、花は淡紅色で先がやや開く筒型、花弁の縁が細かく裂ける。花冠は先が5裂し、裂片のふちは細かく裂ける。雄しべは5個、基部に個々の仮雄しべがある。萼は5片、光沢がある。
イワカガミとイワウチワの違い
イワカガミ
イワカガミの葉は中央部に切れ込み(写真左側)がありハート状になる。
イワウチワ
丸い葉で中央部に切れ込みがない。
イワカガミ 尾瀬
イワカガミ 日光植物園
花が咲き、新葉が展開するまでは日に当てるが、それ以後は空中湿度を保てる半日陰で管理する。水は乾いたら与えるようにして、過湿を避ける。用土は軽石を主体に硬質鹿沼土を混合して、水はけを良くする。増殖は株分けによる。
イワウチワ (本州の近畿地方以東に分布する。やや暗い林床に自生することが多く、厚いうちわ型の葉脈が目立つ。艶のある葉に淡紅色の美しい花を咲かせる。)
オオイワカガミ (イワカガミの変種で、主に東日本の日本海側に分布する。)
コイワカガミ (高山に生えるもので、葉の鋸歯があまり目立たないものをイワカガミと区別することがある。)
ヒメイワカガミ、ヤマイワカガミ (本州の一部に分布。白い花で葉の形に特徴がある。)
山草図鑑(栃の葉書房)、日本の高山植物(山と渓谷社)