ヒガンバナ属は東アジアに数種が分布し、日本にはキツネノカミソリ、ヒガンバナ、ショウキズイセン、ナツズイセンの4種類が野生で見られる。このうち、ヒガンバナ、ナツズイセンの2種については各地に群生がみられるが、ともに古い時代に中国から入って野生化したものと見られている。
全草有毒な多年生の球根性植物。
高さ30〜50p。茎の先に多数の花が集まり、直径10cmくらいの円形となる。おしべが長くよく目立つ。葉は晩秋に出て翌年春に枯れる。
ヒガンバナ 野山の秋
ヒガンバナ 三毳山
ヒガンバナ 星野自然村
植え付けは中深の5〜8号ほどの鉢に1〜3球を目安に、赤玉土4に軽石砂4、腐葉土2などの配合で植える。
植え替えは2〜3年ごとに行う。適期は3〜4月中旬と休眠後
置き場所は開花中と葉が出ている時期は日なたに置くが、上部が枯れて休眠したら日陰でもよい。
水やりは鉢の表土の乾き具合を見てたっぷりと与える。
施肥は植え付け時に元肥として緩効性の化成肥料を施し、花後と秋に有機性の固形肥料を追肥する。
殖やし方は植え替え時の分球と実生による
オオキツネカミソリ (キツネノカミソリの変種。関東以西から九州に分布する。花がやや大型で雄しべが花弁より突き出し、葉幅も広い。)
キツネノカミソリ (山野の草地や林縁、林床に生え、群生することが多い。本州、四国、九州、朝鮮半島、中国に分布。北海道に帰化。)
シロバナマンジュシャゲ (薄い黄色を帯びる白花が咲き、九州と韓国の済州島に自生する。ショウキズイセンとヒガンバナの雑種と見られる。)
スイセン (中国を経由して日本に伝わったとされる。北陸や暖地の海岸近くの斜面などに生える球根植物。)
スノーフレーク (中央ヨーロッパ及び地中海沿岸の球根植物。)
ナツズイセン (中国原産の多年草の帰化植物。細いラッパ状の淡紅紫色を咲かせる。)