チシマウスユキソウ

最終更新日
2021/08/05
●学名
Leontopodium kurilense
●科名
キク科ウスユキソウ属
●花期
7月下旬〜8月
●生育地

日本固有種。
南千島の色丹島、択捉島の海岸付近の岩場に自生する多年草。

●特徴

高さ4~15cm。有花茎と無花茎があり、有花茎の葉は1〜5個。頭花は2~3個しかない。ウスユキソウには5〜6個ある。果実に稜も毛もない。

●写真集

チシマウスユキソウ 箱根湿生花園

●育て方

年間を通して風通しの良い日当たりで管理する。

やや乾き気味に潅水し、過湿に注意する。

肥料は春・秋に置き費と薄い液肥を与える。

植え替えは2〜3年に1回。大株になると根詰まりを起こすので、こまめに植え替える。

用土は水はけを主体に考え、山砂単用にミズゴケ粉を1〜2割混ぜたものか、山砂と桐生砂と半々のものに植える。

増殖は株分け・挿し芽のほか、実生も可能。
株分けは早春か花後と秋の植え替え時に、花茎を切りとり古い下葉と古根を取り除き、3〜4芽くらいを1単位とする。大株を引きちぎるようにすると、簡単に株が離れる。根が多ければ切りつめる。
株分けのとき根際でちぎれた芽は、細粒の山砂に挿せば活着する。このときも古い下葉は掃除する。
実生は取り播きか春播きします。発芽率は良くない。実生床は山砂にミズゴケ粉2〜3割のものが移植作業が簡単になる。播種のときの覆土は山砂に薄くふりかけ、種子が飛ばないようにして、日当たりの良いところに置けば十日ほどで発芽する。種子が乾燥しすぎると発芽が遅くなるのであまり完熟させないうちに採種して取り播きする。春巻きのときは発芽が少し遅れる。
実生苗はむれに弱いので通風をよくして、本葉さえ出れば、小さな苗のあいだに移植するほうが無難。

夏にはアカダニが発生しやすいので、二週間に1回程度殺ダニ剤で予防する。

●近縁種

ウスユキソウ (低山帯上部〜亜高山帯の開けた草地や礫地に生える多年草。)

コマウスユキソウ (木曽駒ヶ岳の山頂付近に自生。別名ヒメウスユキソウ。)

ハッポウスユキソウ (本州(北アルプス八方尾根)に分布。高山帯の蛇紋岩崩壊地の草地に生える。)

ハヤチネウスユキソウ (岩手県早池峰山の蛇紋岩地に自生。)

ヒメウスユキソウ (高山帯の花崗岩の岩場に生える多年草。)

ホソバヒナウスユキソウ (至仏山・谷川岳に自生する細葉変異型。)

ミネウスユキソウ (本州中部地方の高山帯に自生。小型種。頭花は数個がかたまってつき、柄はないか、あってもごく短い。)

ミヤマウスユキソウ (東北地方の飯豊山・朝日岳・月山・鳥海山・秋田駒ケ岳の山頂付近に自生。)

●和名
千島薄雪草。
●参考図書
栽培大辞典(神戸山野草会編・栃の葉書房)、山草図鑑(栃の葉書房)