ソバナ

最終更新日
2017/07/10
●学名
Adenophora remotiflora
●科名
キキョウ科ツリガネニンジン(アデノフォラ)属
●花期
8月〜9月
●生育地

山地の道沿いや林縁などの自生し、本州から九州、朝鮮半島から中国に分布。

●特徴

茎は高さ0.5〜1m、ときに上部で分枝する。ふつう無毛だが、まれに長い毛のあるものもある。葉は互生し、長い柄があり、卵形または広披針形で長さ5〜10cm、幅3〜8cm、やや薄く、やわらかで、ふちに粗い鋸歯がある。上部の葉は小型となり、柄はない。花は茎頂にまばらな円錐花序につき、垂れ下がる。日間は淡青紫色、先端が広がった鐘形で長さ2〜3cm、裂片はややそり返る。花柱はふつうつきでない。萼裂片は披針形で全縁、長さ5〜8mm。

●写真集

ソバナの花ソバナ 日光・白根

ソバナの花ソバナ 尾瀬

ソバナの花ソバナ 夏の庭

●育て方

春・秋は風通しの良い日当たり、梅雨頃から雨の当たらない涼しい半日陰で管理し、冬は軒下などで凍結などから保護する。

肥料は春・秋に置き肥を与えるほか、液肥も併用して肥培する。

植え替えは毎年か隔年の発芽前に行い、エゾ砂・硬質鹿沼土・軽石の混合土などで深鉢に、細い根を切って水はけ良く植え付ける。

増殖は株分け・挿し芽・実生にり、株分けでは切り口に癒合剤を塗って腐食を防ぐ。

●近縁種

イワシャジン (本州の東北地方〜関東地方に分布し、山地の湿り気のある岩場や崖に生える多年草。)

タマシャジン (ヨーロッパアルプスに分布し、日当たりのよい草原に自生する。)

ツリガネニンジン (日本各地の山地や高原に自生。花期は8〜10月)

ハクサンシャジン (ツリガネニンジンの高山型の変種)

ヒメシャジン (本州の東北地方南部〜中部地方に分布する。萼片は細く、鋸歯がある。)

ホウオウシャジン (イワシャジンの高山型の変種。葉が細く刃先で湾曲し、下垂して開花する鳳凰三山の特産種。白花酒も普及。)

ミヤマシャジン (ヒメシャジンの変種で本州(中部地方以北)の亜高山に自生。花期は8〜9月。)

●和名
岨菜。和名は岨(切り立った崖)のようなところに生え、若芽が食用になるからとか、葉がソバの葉に似ていることから蕎麦菜の意味ではないかなどといわれている。
●参考図書
園芸植物、山に咲く花(山と渓谷社)、山草図鑑(栃の葉書房)