ミツバオウレン

最終更新日
2021/01/17
●学名
Coptis trifolia
●科名
キンポウゲ科オウレン属
●花期
6月〜8月
●生育地

北海道から本州の中部地方以北に分布し、亜高山〜高山の針葉樹林のやや湿気のある所に生える常緑の多年草。

●特徴

根出葉は長柄がある3出複葉。小葉は長さ1〜2.5pの倒卵形で重鋸歯があり、やや厚く、光沢がある。葉は花より遅れて開き、越冬葉と共存する。高さ5〜10cmの花茎の先に直径7〜10cmの白色花を1個開く。花弁状の萼片は5個、花弁は黄色で舷部は浅い杯状。
重弁のヤエザキミツバオウレン、花が黄緑色で玉咲きになるタマザキミツバオウレンがある。

●写真集

ミツバオウレンミツバオウレン 至仏山〜尾瀬

ミツバオウレンミツバオウレン 白馬・栂池

●育て方

春・秋は日によく当て、夏は半日陰で管理する。常緑のため冬も暖かく日の当たる場所を好む。

植え替えは2〜3年に1回、花後の5月頃に行い、硬質赤玉土・硬質鹿沼土・軽石の混合土などで水はけ良く植える。

増殖は株分け・実生により、実生は採り播きし、発芽から2年で開花する。

適湿な明るい日陰の場所でよく育つ。 渓谷沿いや林の下など、湿潤でしっとりした土壌に自生する植物なので極端な乾燥には気をつける。
タネまき、株分けでふやすことができる。

●近縁種

ウスギオウレン (オウレンに似るが、萼は狭く淡黄色で、花弁は紫色を帯びる。)

オウレン (山地の林内に生える常緑の多年草で、発達した黄色の根茎がある。)

オオゴカヨウオウレン (屋久島特産。バイカオウレンに似るが葡枝を出さず全体に大型。)

コセリバオウレン (葉形が3回3出複葉で特に細かい葉である。)

セリバオウレン (茎頂は分岐し3つの花をつける。葉形が2回3出複葉でセリの葉に似る。)

バイカオウレン (根生葉は鳥足状複葉、3中裂する5枚の小葉よりなる。本州から四国に分布する。)

ミツバノバイカオウレン (ミツバオウレンに似るが、花茎は緑色でなく褐色。)

中国原産で葉の形が水鳥の脚に似るカモアシオウレンが普及するが、日本のオウレンとは別属のアステロビラム属である。

●和名
三葉黄蓮
●参考図書
山野草大百科(講談社)、山草図鑑(栃の葉書房) 、山に咲く花(山と渓谷社)