北海道(大雪山系)、本州(至仏山、北・南アルプス、八ヶ岳、白山)、北半球北部に分布。
基準標本:ヨーロッパ。
高山帯の砂礫地に生える1年草。
高さ5〜20cm。茎は叢生し、4稜形で短毛があり、高さ(5〜)10〜15(〜20)cmになる。葉はふつう4個、時に3〜6個が輪生し、長さ1〜4cm、幅0.3〜1.3cmの狭長楕円形で羽状に深裂する。裂片は狭卵形で鋭い鋸歯がある。両面とも毛があり、下部の葉の柄は長いが、上部はほとんど無柄。根生葉はないか、あっても少数。茎の先に鮮やかな紅紫色の花を3〜4個ずつ数段に輪生する。花柄は長さ1〜3mmで軟毛が密生する。花冠の筒部は長さ約1cmで湾曲する。上唇は舟形で長さ約4mm。先は切形でくちばし状にはならない。下唇は長さ約7mmで3中裂し、中裂片はやや小さい。刮ハは長さ1.5cmの披針形で先がとがる。
半寄生植物なので、数年間株を維持できても、長い年月の栽培は困難とされている。
エゾシオガマ (亜高山帯〜高山帯の開けた草地に生える。)
オニシオガマ (北海道・本州の中部地方以北の亜高山帯〜山地の湿った草原に生える多年草。)
シオガマギク (北海道〜九州に分布。花は淡紅色で、葉の基部は楔形。)
シロバナタカネシオガマ (白花品)
ハッコウダシオガマ (北海道と本州の東北地方に自生する大型種。)
ミヤマシオガマ (北海道・本州の中部地方以北の高山の草地に自生する。7〜8月に茎の上部に紅紫色の上向きの花を互生して咲かせる。)
ヨツバシオガマ (北海道・本州の中部地方以北の高山帯に自生。)
高嶺塩竈。和名の塩竈は、製塩のための竈が浜辺に風情を添えることから、「浜で目につく」を「(花だけでなく)葉まで目につく」ことにかけたもの。
別名ユキワリシオガマ。
属名のpedicularisはラテン語のpediculus(シラミ)に由来し、昔ヨーロッパでこの属の植物を食べた家畜にシラミがいっぱいついたからといわれる。