北海道〜本州中北部の日本海側にかけて分布。多雪地で低山帯〜亜高山帯の樹林の日陰地に生える多年草。日本固有種。
高さは花のある時が約20cmで、花後には約60pになる。地下に太い根茎がある。カエデのように切れ込んで葉柄のある葉が2枚、丸くて葉柄のない葉が1枚ある。花は茎の先に1個つき、直径4〜8p、桃紫色の花びら状の萼片が4枚ある。果実は方形の袋状、内側で合着する。
稀少ではあるが桃紫色の他に白花も見られる。
シラネアオイ 新潟・佐渡
シラネアオイ 日光・白根
シラネアオイ 上三依水生植物園
新葉が固まるまでと初秋はよく日に当てる。夏はできるだけ涼しく半日蔭で風通しの良い場所で管理する。地上部が枯れた冬場は凍らさないようにする。
(山野の涼しい林の下などに自生しているので基本的に平地での栽培は難しい。)
肥料は有機質肥料を芽出し前と花後、秋の3回与え、肥培に努める。
乾燥を嫌う植物なので、湿り気を保ちやすい中深鉢に鹿沼土に赤玉土を3分の1程混ぜたやや細かめの用土で植えつける。
殖やし方は株分けが一般的で、実生では種まき後4年程度で花が咲く。
エゾアオイ (八重咲き種「)
シロバナシラネアオイ (シラネアオイの白花品、花期は5〜7月)
ヒトツミシラネアオイ (果実が1個の袋果になる)
白根葵。日光白根山に多く、花がタチアオイ(立葵)に似ることからシラネアオイ(白根葵)と名づけられた。
別名で「山芙蓉(やまふよう)」、「春芙蓉(はるふよう)」ともいうが、これはフヨウ(芙蓉)に似ていることに由来する。