ミヤマクワガタ

最終更新日
2015/11/08
●学名
Pseudolysimachion schmidtianum subsp. senanense
●科名
ゴマノハグサ科ルリトラノオ属
●花期
6月〜7月
●生育地

日本固有種で本州の中部地方以北に分布し、高山帯の礫地に生える多年草。

●特徴

葉は羽状に切れ込み、ほとんど毛がない。花序は茎の先につき、線質の軟毛を密生する。高さ7〜25p。葉身は長楕円形。長さ1.5〜4p。花は淡青紫色。直径7〜9mm。果実は倒卵形、先はへこむ。地域によって変異が多い。

南アルプスのミヤマクワガタは花の色が赤紫色で、地域的にまとまっているので、アカイシミヤマクワガタと呼ばれる。学名はついていない。

ミヤマクワガタの仲間は葉面の毛に注目すると、北海道には無毛のエゾミヤマクワガタに対してケミヤマトラノオ、東北地方には無毛のバンダイクワガタに対して毛深いミチノククワガタ、中部地方の高山には無毛のミヤマクワガタに対してケミヤマクワガタがある。ケミヤマクワガタは1982年に発表され、長野県北部の鳥甲山、天狗原山、雨飾山、北アルプスの燕岳などに知られる。

●写真集

ミヤマクワガタ ミヤマクワガタ 白馬

●育て方

風通しの良い日当たりで管理する。夏は半日陰で管理する。充分に灌水するか、夏は過湿に注意する。

肥料は春・秋に置き肥を与える。

春か秋に植え替え、植え付け用土は水はけを重視し、硬質鹿沼土・軽石などを混合して用いる。

増殖は株分けのほか、実生もできる。発芽率は良く、春先にタネを播けば、早いものはその年に花がみられる。

●近縁種

アポイクワガタ (北海道アポイ岳に分布。ミヤマクワガタより葉が細く、実も小さい。)

キクバクワガタ (北海道・樺太・千島に分布。葉が深く切れ込む。)

クガイソウ (本州(近畿地方以東)に分布。山地の日当たりのよい草原に生える多年草。群生することが多い。)

ダイセンクワガタ (中国地方に分布。)

トウテイラン (海岸に生える高さ40〜60cmの多年草)

ハマトラノオ (九州の海岸に生え、葉はやや肉質で艶がある。)

バンダイクワガタ (福島県の磐梯山に分布。高山の開けた岩場に生える。)

ヤマルリトラノオ (山形県から近畿地方の日本海側の山地に生える。葉の両面にほとんど毛がなく、鋸歯がとがらない。)

●和名
深山鍬形
別名シナノクワガタ

●参考図書
高山に咲く花(山と渓谷社)、山草図鑑(栃の葉書房)