イワタバコ

最終更新日
2017/08/07
●学名
Conandron ramondioides
●科名
イワタバコ科イワタバコ(コナンドロン)属
●花期
6月〜8月
●生育地

本州(福島県以南)、四国、九州、台湾に分布。渓谷や山地の湿った岩場に着生する多年草。

●特徴

葉はゆがんだ楕円形状卵形で光沢があり、長さ10〜50cmで、縁に不整の鋸葉があり表面には縮緬しわがある。6〜8月に高さ10〜15cmの花茎を伸ばして、茎頂に径約15mmの花を数個咲かせる。花色の基本は薄紫色だが、濃紫色や白・桃色など変化がある。

イワタバコは冬の間、葉をかたく巻いて休眠する。このためイワタバコ科のなかでは、分布域をもっとも北に広げることができたといわれている。暖かくなると葉を広げる。若葉は少し苦みがあるが食べられる。また胃腸薬としても利用される。

●写真集

イワタバコの花イワタバコ 夏の野山

イワタバコの花イワタバコ 日光・白根

●育て方

春、秋は明るい日陰、夏は涼しい日陰で管理。

灌水は乾いたら充分与え、施肥は液肥を月に2〜3回、葉が大きく伸びるので中深鉢を用い、葉が汚れたり痛んだりするのを防ぐ。水分を好むので、水はけの良い硬質鹿沼土7と赤玉土3の混合土、石付けなどにはケトに小粒の赤玉土を2割程度混ぜて使用する。造形的に石付けや軽石鉢に植えつけてもよく育つ。

繁殖は葉挿し。

●近縁種

イリオモテイワタバコ (変種。西表島などに分布し、葉裏や花茎に軟毛がある。)

イワギリソウ (山地の陰地や岸壁に生える多年草。淡紫色の花を多数横向きに咲かせる。)

オニイワタバコ (ピレネー山脈に分布する。)

ケイワタバコ (中部、近畿地方に分布。イワタバコの品種で、花茎、菊、葉の裏面の脈上に毛があり、花期が少し早い。)

●和名
岩煙草。葉がタバコの葉に似ることからその名がある。
●参考図書
園芸植物、野に咲く花(山と渓谷社)、山草図鑑(栃の葉書房)、山野草大百科(講談社)