フクジュソウ属は、北半球の暖帯から温帯に30数種類が分布する一年草もしくは多年草。
日本のフクジュソウの分布は北海道から九州までと、日本各地に自生するが、特に東日本に多い。落葉樹林の林床に生える。
草丈15〜30cm、径3〜4cmで黄金色の多弁花を付ける。葉は羽状に細かく分裂し、花後に大きく広がる。根茎は黒褐色で太く、多数のひげ根を束生する。葉は長柄があり3〜4回羽状に細裂する。根生葉はない。枝先に黄色い花を1個〜数個上向きに開く。花は直径約3〜4p。花弁は10〜20個、萼片より長く、黄色で金属光沢がある。萼片は帯暗紫緑色で数個。痩果は倒卵形で長さ4〜5mm、短毛がある。
花色は黄色が基本だが、白色やオレンジ色などの園芸品種もある。花色以外にも八重咲き、菊咲き、三段咲きといった花型の違うものもある。
根や茎にはアドニンという有毒成分があり、強心剤や利尿剤などに使われることもあるが、副作用が強く使用には注意が必要。
日が当たると大きく花弁を広げるが、これは早春に活動する昆虫を誘うため。
フクジュソウ 星野の早春
フクジュソウ 庭の早春
フクジュソウ 花之江の郷
生育期が短いので肥培に努め、日当たりで管理する。
植え付けは太い根が多数出るので大きめの深鉢(5〜6号程度)を使用し、肥沃な用土として、赤玉土4、軽石砂4に腐葉土2などを混合して植える。
植え替えは2〜3年に一度の頻度で行う。休眠期の9月中旬〜10月中旬が適期。正月の鉢花として出まわる鉢植えは、根を切り詰めて無理に植えたものが多いので、花が終わったら新葉を霜や北風に当てないように注意し、3月頃に大きめの鉢に植え替える。
置き場所は芽出しの頃から開花中は日なたに置き(日に当たらないと花も開きません)、花後は直射光を避けて木陰や半日陰に移す。晩春には休眠するので、涼しい日陰に移す。
水やりは芽出し時期と開花時期は多めに、その後は表土の乾き具合を見てたっぷりと与える。地上部が枯れる休眠期も水切れさせないように注意する。
施肥は植え付け後に有機性の固形肥料を鉢の周囲に置肥する。花後と秋に追肥として同じ肥料を置肥する。花後は休眠期までの期間が短いので、2000倍程度の液肥を水やり代わりに与えればさらに効果的である。
殖やし方は植え替え時の株分けが簡便。4〜5年程度必要だが、タネからの実生栽培も容易である。
アキザキフクジュソウ (ナツザキフクジュソウに似たやや小型の品種で秋に花を咲かせる。)
ナツザキフクジュソウ (ヨーロッパに自生する一年草。)
花のつき方や花弁(正しくは萼片)の大きさ、色などからフクジュソウのほかに、キタミフクジュソウ、ミチノクフクジュソウの3種に細分化されている場合もある。
福寿草。
旧暦の元旦のおめでたいころに、雪の中から顔を出す花ということから、幸福を意味する「福」と長寿を願う「寿」を組み合わせてつけられた。
別名に元日草や朔日草などがある。