北海道、本州、四国、九州、南千島、サハリンなどで 湿り気のある谷間や落葉樹林の下に自生 する多年草。
高さ30cm前後。葉は菱状楕円形で3枚が輪生し、先が細く尖る。茎頂に花が1個付き、外花被片は緑色または褐紫色で3個あり、長さ1.5〜2p。雄しべの葯は花糸よりやや短い。
ユリ科の花(花被)は外花被片と内花被片からなるが、本種は外花被片しかなく、花が終わっても残存する。
黒く熟した果実は食用となる。
根茎は中国では延齢草根(えんれいそうこん)と呼ばれ、古くから胃腸薬や催吐剤などの薬草とされるが、サポニンなどの有毒成分を含む有毒植物であり、多量に使用すると嘔吐、下痢、血便、酩酊などの中毒症状を起こす。
属名のトリリウムの語源は3を基数にしたユリという意味である。
エンレイソウ 新潟・佐渡
エンレイソウ 白馬・栂池
エンレイソウ 駒止湿原
春・秋は日当たり、日射しの強くなる5月頃からは半日陰で管理する。
水はけが悪いと根茎が腐りやすいので、過湿に注意する。
肥料は多めに置き肥して肥培する。
植え替えは赤玉土・硬質鹿沼土の混合土などで、中深〜深鉢に植え付ける。
増殖は株分け・実生により、分けた根茎は腐敗を防止するため殺菌剤を塗る。タネはよく水洗いして果肉を取り除き、採り播きして乾燥させないように管理する。開花まで5年ほど書かkる。
オオバナノエンレイソウ (ミヤマエンレイソウよりも大型の白花を咲かせる。)
シラオイエンレイソウ (北海道白老町で発見されたシロバナエンレイソウとオオバナノエンレイソウとの雑種で、内花被は白色で大型。子房の先端がすこし紅紫色を帯びる。)
トイシノエンレイソウ (北海道の砥石山でみつかったもの。エンレイソウの品種で、萼が淡緑色で雄しべの葯が白いのが特徴。子房が暗紫色のものと淡緑色のものがある。エンレイソウの群落にまれに見つかる。)
トカチエンレイソウ (北海道にはエンレイソウとオオバナノエンレイソウの雑種もある。)
ヒダカエンレイソウ (エンレイソウとシロバナエンレイソウの雑種で、両種の混在地にまれに見られる。)
ミヤマエンレイソウ (別名シロバナエンレイソウ。別名の通り、エンレイソウの白花種。 、3枚の萼片と3枚の白い花弁がある。)