ウサギギク属は100種強の種がある多年草で、大半の種がアメリカに分布する。日本にはウサギギクの他にチョウジギク、オオウサギギクが分布する。
ウサギギクは北海道と本州中部以北の亜高山帯から高山帯に分布、草原地帯に生育する多年草。
高さ15〜35cm位で、地下茎が横に這い、立ち上がって先端に黄色い花をつける。全体に縮毛が密生し、茎は単一に直立している。茎葉はふつう対生、まれに互生し、長さ5〜13cm、幅2〜3.5pのへら形でやや厚く、5脈がある。花茎の先に黄色で直径4〜4.5pの頭花を1個つける。総苞は半球形、総苞片は2列、舌状花は1列。中心部は筒状花で筒部に短い軟毛がある。痩果は長さ4〜5oで細毛がある。
変種名のtschonoskyiは須川長之助への献名。
過湿や高湿に弱いので暖地では深めの鉢がよく、深めの4〜5号程度の鉢を使用。水はけを配慮し、硬質鹿沼土5に軽石砂5などを配合して植える。
植替えは2年に一度ほど行う。適期は花後と9月中旬〜10月中旬。
1年を通して日なたで風通しの良い場所に置く。
水やりは鉢の表土の乾き具合を見て、たっぷりと施す。
施肥は植え付け後に化成もしくは有機性の固形肥料wを鉢縁に花後と秋にも同じ肥料を追肥する。
株が混み合うと花つきが悪くなる原因となる。
殖やし方は植え替え時の株分けと実生増殖。
エゾウサギギク (基準標本/ウナラスカ島。ウサギギクの命名上の母種。筒状花の花冠に毛が長い種。北海道ではエゾウサギギク、本州中部ではウサギギクが多い。)
オオウサギギク (沿海州やサハリンはふつうに見られるが、日本では北海道の礼文島と樺太郡のピンネシリ山の草地にだけ生える多年草。)
チョウジギク (本州の日本海側と四国の剣山に分布し、山地帯〜亜高山帯の湿った草地に生える高さ20〜70pの多年草。
1986年に月山でウサギギクとチョウジギクの雑種が発見された。チョウジギクの頭花に舌状花が入った形のもので舌状花はウサギギクより少なくて小さい。高さは5〜15pで、茎の上部には白い毛が多い。)
ハンヤエウサギギク (舌状花が2〜3列ある半八重のもの。)