オトギリソウ

最終更新日
2018/01/13
●学名
Hypericum erectum
●科名
オトギリソウ科オトギリソウ属
●花期
7月〜9月
●生育地

日本各地に分布。野山や道ばたに生える多年草。

●特徴

茎の高さは20〜60cm。径1〜2cmの黄色の5弁花を、茎の先端や葉腋から出した花茎の先に数花付ける。花は1日花で、朝開き夕方しぼむ。葉は対生し、披針形で茎を抱く。
5弁と萼片に黒点、黒腺がある。黒点は油点とも呼ばれ、細胞間隙などに分泌物が蓄積したもの。日に透かすと黒色の点が前面にあらわれるが、これはヒベリシンという色素。

切り傷によく効く薬草として、昔から珍重されてきた。
現在でも、全草を天日で乾燥させたものを生薬として用い、外傷、打ち身、神経痛や通風の鎮痛、月経不順などに使われる。また、がん予防や抗うつ効果、血糖値を抑える効果なども期待されている。一般には、健康茶として楽しむほか、うがいにもよい。

花後、赤く熟した実は光沢があり美しく、秋からクリスマスのアレンジメントでたいへんよく使われています。

●写真集

オトギリソウの花オトギリソウ 尾瀬

●育て方

よく日に当て、風通しの良い場所に置き、水は十分与える。
肥料は置き肥をする。
植え替えは総春花秋に、赤玉土、硬質鹿沼土を混ぜた用土で植え付ける。
増殖は株分けまたは実生で、実生は採り播きにする。

●近縁種

イワオトギリ (本州、中部地方以北の高山に自生する。)

コオトギリ (葉が小さく、湿った所に生える。)

シナノオトギリ (本州中部地方の高山に自生する。)

ダイセンオトギリ (本州中部地方の日本海側の高山に自生する。)

タカネオトギリ (北四国の高山、九州の祖母山に自生する。)

トモエソウ (山地の草原に生える多年草。)

●和名

弟切草。昔、ある鷹匠兄弟がいて、薬草で鷹の傷を治すことで有名だった。秘密にしていた薬草の名を弟が他人にももらしてしまい、怒った兄が弟を斬り殺すが、庭のオトギリソウに血が飛び散り、花や葉に黒点として残った・・・というのが名の由来。
別名ヤクシソウ、アオクスリ。

●花言葉

きらめき、秘密、復讐
花言葉の「秘密」、「復讐】も和名の由来となった話からついたもの。

●参考図書
山草辞典(栃の葉書房) 、里山さんぽ植物図鑑(宮内康之監修、成美堂出版)、美しい花言葉・花図鑑(二宮孝嗣著、ナツメ社)