クマガイソウ

最終更新日
2017/02/11
●学名
Cypripedium japonicum
●科名
ラン科アツモリソウ属
●花期
4月〜5月
●生育地

日本全土の山地、朝鮮半島、中国に分布。杉や竹林の中に生える多年草。
近年は園芸採取と里山の放棄が原因で急速に減少している。
絶滅危惧II類。

●特徴

高さ20〜30p。花は茎の先に1個つき、直径5pくらい、唇弁が袋状に大きく膨らみ、奇妙な形である。葉は対生状に2枚つき、大きな扇円形である。

●写真集

クマガイソウクマガイソウ 日光植物園

クマガイソウクマガイソウ 春の野山

●育て方

芽出しの頃は日に当て、日射しが強くなってきたら風通しの良い半日陰で管理する。

肥料は春・秋に置き肥を多めに与え肥培する。

植え替えは休眠期の早春か秋に行い、硬質赤玉土・硬質鹿沼土・軽石の混合土などで水はけ良く、過湿にならないようにする。

中深〜深鉢を用いて芽先が土から出ないように深めに植え付ける。

露地植え向きの種で、その場合、 竹のような地下茎があり、短いと枯れやすく、花もつけにくいので、木陰に腐葉土などをすき込んで植える。

増殖は株分けによる。

●近縁種

アツモリソウ (山地の草原や林床に自生する多年草で、本州の中部以北から北海道に分布する。)

タイワンクマガイソウ (台湾原産で、花の唇弁はさらに丸みを帯びている。性質は強健。庭植え、大鉢植えが適している。増殖苗が普及している。)

ヒタチクマガイソウ (クマガイソウは茎にも剛毛が生えているが、ヒタチクマガイソウはここが無毛なので識別する。かつては茨城県で確認されたが、現在は野生絶滅と推定され、わずかな株が保存栽培されているの実となっている。)

●和名
熊谷草。その名の由来は袋状の唇弁を熊谷直実(くまがいなおざね)が背負った母衣(大きな風船のようにふくらませた布)にみたてもの。
●花言葉
気まぐれな婦人、見かけ倒し
花言葉は、花の姿が気どった貴婦人に見えることから「気まぐれな貴婦人」が、扇形に広がった大きな葉が一見、敵を威嚇しているように見えることから「見かけ倒し」がつけられました。
●参考図書
園芸植物(山と渓谷社)、栽培大辞典(月刊さつき研究社)、山野草大百科(講談社)、山草図鑑、小型野生らんを楽しむ(栃の葉書房)