日本全土から東アジア各地、ヒマラヤに分布する。日当たりのよい野原の芝地、田のあぜ、堤、芝生などに生える多年草。群生することもある。
高さは15〜40cm。地中には白色で多肉の紡錘根がある。根出葉は長さ5〜20cm、幅3〜10cmの広線形で数枚つく。葉の間から10〜30cmの花茎を出し、桃紅色で可憐な小花が多数咲く。花茎は淡緑色で上部がねじれ、毛がある。花は翼に向き、鐘形で平開しない。苞は狭卵状披針形で長さ4〜8mm。萼片と側花弁は卵状披針形、唇弁は白色の倒卵形で、萼片よりすこし長く、上部は広い。ふちに細歯牙があり、先はそり返る。基部の両側には光沢のあるいぼがある。
花序のねじれ方は一定しているわけではなく、よく見ると左巻きと右巻きの両方あり、中には途中で巻き方が変わるものもある。
ネジバナ 庭の夏
日当たりと風通しの良い場所に植える。植え込み材料はミズゴケなら新しいものを鉢から盛り上がるように、砂なら硬質鹿沼土5、軽石砂5を水はけのよい用土として使用する。芝生に植えてやると、自然に良く増える。
殖やし方は株分けの他、古い根を外して根伏せすると新しい芽が出る。こぼれ種で他の鉢に発芽することが多いが、意図的な実生は難しい。
ヤクシマモジズリ (屋久島原産で高さ5〜10cmと小さい品種。)
アメリカモジズリ (北米原産で白花)など。)