北海道、本州の中部地方以北に分布し、高山帯の草地や湿地、岩隙などに生える多年草。
混生葉は長い柄があり、長さ1〜2.5cmの卵形〜広卵形で基部は心形。花茎は高さ3〜15cm。花は白色で直径約1cm。仮雄しべは7〜11裂し、先端に黄色の腺体がある。全体に大きく、仮雄しべが12〜22裂するものをウメバチソウという。
コウメバチソウ 乗鞍岳
3〜4号の小鉢植えにするか、寄せ植えの材料とする。用土は硬質鹿沼土7、軽石砂3を水はけよく配合し、乾燥防止のために表土にミズゴケを張るとよい。
植え替えは2年に1度、適期は3〜4月中旬
春の芽出し頃は日がよく当たる場所で、その後は直射光が当たらない半日陰で管理する。
水やりは水を好むので水を切らさぬようにする。梅雨後は用水にするよい。
施肥は植え付け後、有機性固形肥料の周囲に少量置肥し、花後と春に同じ肥料を追肥する。肥培すると花つきが良くなる。
殖やし方は株分けと実生で行う。タネを採取して暗所で保管。早春にまいて成長させ、翌年の春に定植すれば秋に開花する。
コウメバチソウとウメバチソウの違い
コウメバチソウ
仮雄しべが7〜11裂する。写真正面は8裂。
ウメバチソウ
仮雄しべが12〜22裂する。写真は15裂。
イズノシマウメバチソウ (葉が厚く、濃緑な伊豆諸島タイプ。神津(コウズ)ウメバチソウとして流通していることが多いと思われる。)
ウメバチソウ (山地や山麓の湿り気のある日当たりのよい所に生える多年草。)
シラヒゲウメバチソウ (中国原産種)
シラヒゲソウ (本州、四国、九州に分布し、花弁が糸のように細く裂ける。)
ヒメウメバチソウ (本州・中部地方以北の高山帯の湿原に自生する。)
ヤクシマウメバチソウ (屋久島の高地の湿地に自生する矮小種。)